#自転車に乗って
自転車に乗っているとどこまでも行けるような錯覚に陥る。
風に乗って、走って走って走る。
楽しい、その感情が自分の心を占めるけれど、自転車から降りた瞬間、何してたんだろって虚無に陥る。
少しぐらい、錯覚に支配されたままでも良かったなぁ。
#君の奏でる音楽
風に乗って、バイオリンの音色が聴こえる。
優しくて暖かい。君の奏でる音色。
こうやってこの音が聴けるのが僕だけだと思うととても心地良い。
これからも僕だけが聴き続けられたら良いのにな。
#麦わら帽子
風に吹かれて飛んでいったあの麦わら帽子は今どこにあるのか。
誰も、誰も知らないところで朽ちているのか、はたまた誰かが見つけて使っているのか、どこかへ落し物として届けられているのか。
分からない。
だけど、それはそれで良い。
きっとそれも『運命』というもののひとつだから。
#終点
走って、走って、たまに歩いて、また走る。
そんな風に走り続けた人生ももう終わり。
今まで、走ってきた中でたくさんの人と出会い、そして別れてきた。
今ここに居るのは、その時に別れなかった人とその人との間にできた子供。
子供も、また結婚して、子供が出来た。
今では俺も立派な、と言えるかは分かんないけど、爺様だ。
このまま、妻が、子供夫婦が、孫が、彩り溢れる素敵な人生を歩めますように。
俺は人生の終点からそう願わずには居られない。
#上手くいかなくたっていい
別に対人関係も、仕事も趣味も上手くいかなくたっていいんだ。
ただ、自分のペースで、毎日少しでも、楽しかったな、って思えたらそれで良い。
僕はそんな気持ちで毎日を過ごしてる。
だって、それ以上を望んだらきっと、何もかもが面倒くさくなって、辛くなって、苦しくなって、僕は生きることすら諦めてしまうから。
だから、何かを上手くいかせようじゃなくて、上手くいかなくたっていい。ただ、息をするだけで偉い。そんな気持ちで生きると、息がしやすいと思う。