#鳥かご
私は飼われている。
大きな大きな鳥かごの中で飼われている。
誰にも見つからないように、ご主人様が私を囲う。
ここに来て既に半年程が過ぎた。
ここから飛んでいきたいけれど、ご主人様の目はかいくぐれない。
いつになったらお外へ行けるかな。いいえ、きっと私はお外へもう一生出られないのね。死んでも出られないわ。
だって、鳥かごの他に足首は鎖で繋がれて、片手首は手錠をはめられている。手錠のもう片方はご主人様が鳥かごから出る時はベットの上に繋げて、ご主人様が居る時はご主人様の手首に繋がっている。
これじゃあ何があっても離さない。そう言ってるようなものだもの。
#友情
最近SNSでたくさんの人と繋がった。
繋タグって言うのかな。同じ好きな物の中でのお友達探しをするタグで繋がれた。
好きな絵師さんや文字書きさん。
ありがたいことに繋がってくださる方が沢山いた。
だけど、少しだけ気になることはなんで僕みたいなやつと繋がってくれたんだろう。
最終的にあんまりお話出来てない方も沢山いる。
いや、僕が発信しないことが多いからかもしれないけどさ。
僕から絡みに行くのは良いんだ。楽しいから。
だけどたまには絡んできてくれてもいいじゃないか。
なんて、SNS上での友情なんか成立するわけないか。少なくとも僕は成立させられないんだ。
だって、現実でさえ友達が少ないんだもん。
顔が見えない人との関わり方なんて尚更分からないよ。
#花咲いて
花咲いて、周りも笑顔の花が咲く。
だけど君だけは沈んだ顔をする。
何故沈んだ顔をするのか聞いたら君は、
「だって、私を見てくれる人が減ったもの」
そう言った。
大丈夫、僕だけは君を見つめ続けるよ。そう言うと君はさきほまでの沈んだ顔が嘘のようにパッと笑顔の花を咲かせたね。
君のそんな笑顔がまた見たい。
男は遺影の前で呟いた。
#もしもタイムマシンがあったら
タイムマシン、そんなものがあったら私は今から10数年前に戻りたい。
10数年前、私が20歳になろうかという頃、友人が自殺した。
理由は分からない。
でも、そいつとは20歳になったら他の友達も含めて呑みに行こうって約束してたんだ。
それなのにあと少しで全員が20歳になる、そんな時にあいつは死んだ。
だから、タイムマシンがあったらあいつが死んだ日に行きたい。
ぶん殴ってでもあいつを死なせない。
なんて、こんなタラレバ言っても意味無いけどな。
#今一番欲しいもの
私が今一番欲しいものは、大きな大きな本棚。
出来ることなら、2Kくらいの一軒家を買って、一室は図書室、一室は自室。
図書室と言っても自分専用だから、クッションやソファー、テーブルと少しのお茶菓子なんかを置いて、休みの日は1日そこで過ごす。
眠くなったらそこで寝れるようにしていたらもっと良い。
こんな家を買えたらきっと毎日がもっと楽しくなる。
休みの日はそこから出なくなる可能性は有るけれど。