列車に乗って
一人で寝台列車に乗って、高校の時好きだった人のことを思い出す。勉強を教えてもらって、なぜかその姿に胸がときめいて、好きになった。でもその恋は実らなかった。あれから恋してないな。
横になった身体を起こして窓の外を見ると、まだ真っ暗だ。この夜の何を考えても解決しない感じが好き。考えても考えても途方に暮れる、この感じが好きだ。私は目的地までまた眠ることにした。
遠くの街へ
さぁ、せっかくの休日、何をしようか。待て、その前にシャツをクリーニングに出しに行かないと、夕食の買い物に、部屋の片付け。やるべきことはたくさんある。でもそれはいっか、今日のことは全部未来の自分に任せて、どこか遠くの街へ出かけよう。お気に入りのワンピースにスニーカーを履いて、一人旅へ。
現実逃避
「早く正社員の仕事を見つけなよ」
たまに、姉に仕事の話をすると必ずこう言われる。そう正しいことを言われるからたまになのだ。
わかってるよ、私も正社員になったことがあるからわかる。正社員の方が給料もちゃんともらえるし、ボーナスもあったり、社割があったり、いろいろな面でメリットがあって、世間から見てちゃんとしていると思われるのは正社員だってわかってる。でも、一日中ごろごろしたり、何本も映画を見たり、そんな現実逃避みたいなことをしたいんだよ。アルバイト生活だから金銭面で少し辛いけど、今、すっごく楽しいんだ。だから正社員の生活はもうちょっと待って。現実逃避できるのは今のうちだから、たくさんしておかなきゃ。
君は今
君は今なにしてるの?
君は今どこにいるの?
君は今なにを考えてるの?
君は今どんなことに興味があるの?
君は今どんな音楽を聴いてるの?
君は今
誰を想ってるの?
私は今君を想ってる。
君は今、私のことを考えているかな、
もっと知りたい、君のこと
物憂げな空
窓の外は暗くて、横殴りの雨が窓を打ちつける。梅雨の時期でも、台風が近づいているわけでもないのに、なんだ、この大雨は。外が荒れていると私の心まで荒れるみたいだ。物憂げな気持ちよ、雨風と一緒に吹き飛んでしまえ。