そして、これから始まるのだ。勇者の新たなる物語が――。
こうして物語を書き終えた。
まだ続きそうな終わり方ではあるが、要は打ち切りだ。なんとかまとめて、どうにか読めるものにはした。
この後勇者はどうしたのだろうか。どこへ行ってしまったのだろうか。
私にはわからない。
現実は、そしての先は何も無い。
勇者の旅はここで終わりだ。
『そして、』
「あら~かわいい」
とろけるような笑顔で自分を見つめてくる。
あぁ、ずっとこの笑顔をみていたい。
母であるこの人を、愛している。
こんな小さな体で、これだけ大きな想いを抱えている。
もし、このことを口にしたって、きっとみんな赤ん坊のかわいい愛情だって、真剣に聞いてくれないだろう。
それでも構わない。あなたに笑われたって構わない。
あなたに逢う為に、生まれ変わった。
今は小さな体でも、今度こそはあなたを守り続けると、溢れる気持ちを神に誓うよ。
『tiny love』
君の為にいろいろなものを用意した。
君専用の食器も用意したし、君が好きそうなものをたくさん並べた。休める場所も用意した。君の部屋も用意したよ。
「素敵な部屋ですね。行ってみたいです」
話の流れで部屋の写真を見せた時、そう言ったよね?
いつ来る? 僕はいつでもいいよ。
……ねぇ、なんでそんな顔するの?「時間ができたらそのうち」っていつ?
仕方ないから君を無理やり連れてくることにした。
ほら、素敵な部屋だろう?
かわいく飾り付けられた、窓も扉の内鍵もない部屋に、君はようやく招待された。
『おもてなし』
目の前で炎が燃え上がる。
渦を巻き、全てを飲み込むように、立ち昇る。
それが放火だと判明するのに、そう時間は掛からなかった。
僅かな心当たりがあった。逆恨みから、こういうことをする人物。
焔が灯る。心の中に、どす黒い焔が。
この復讐の焔は決して絶やさない。必ずおまえを飲み込んでやる。
『消えない焔』
いつまで経っても終わりが見えない。
問題が山積みで、これが永久に続くのではとさえ思えた。
そういえば、動画で見たことあるな。ある特定の条件に達しない限り永遠にクイズが出題され続けるというドッキリを。
もしかしたら、これもそうなのかもしれない。
……いや、条件はわかっている。
本当は永久なんじゃなくて、この大量の問題を解けば終わるって。なんなら解き切らなくても、時間がくれば終わるって。
いや、だって問題数多い上に難し過ぎるんだよ、このテスト!
『終わらない問い』