気づけば、夏は始まっていた
私は風邪引いて布団の中
完全に出遅れた
SNSを見ると、みんな夏を楽しんでいて
少ししゃらくさい
でも、その中でも夏の青空の写真は綺麗だった。
まだ見ぬ夏の空を想う。
まだ見ぬ空があるのだ。
可能性は無限だった。
夏は、まだ始まったばかりだった。
今年の夏も暑くなりそうだ。
ふと窓から夏の青空を見上げ、
そう思った。
空恋
夏が好きだ。
夏は特別なんだ。
夏の終わりは必ず後悔する。
もっと夏を味わえば良かった、って。
気がついたら夏は終わっていた、
そうなりたくなくて、ここに備忘録を残してみる。
夏の気配 ENDLESS
「宇宙の最小単位ってひもなんだってぇ。」
独特の間延びした声で空美が言った。
彼女の名前は空城 空美(くうじょう そらみ)。
私の幼馴染みだ。
空美はなぜか科学雑誌Newtonを愛読していて、
毎号欠かさず読んでいるらしい。
空美の部屋の本棚には、
過去数年分のNewtonがずらりと並べられていた。
空美は続けた。
「でさ『超弦理論』っていうんだけど、
『超ひも理論』ともいうんだよね。」
「なんでひもなのかな?」
「見えないくらい小さいのに、ひもなんておかしいよぉ。アハハ」
空美は能天気に笑っていたが、
意外と鋭い指摘かもしれない。
「超弦っていうんだから、糸の方がよくない?」
私は答えた。
「たしかに~。じゃあ、超いと理論だね。」
といって、空美は目を細めてにこにこと笑った。
私は空美のこの笑顔が好きだった。
空美の制服は白くて、ふわふわしていて、いい匂いがした。
私がいま空美に見えているものも、
糸でできているのかもしれないと思った。
もしかしたら、赤い糸と呼ばれるものも
同じような物質でできていて、
最小単位まで拡大してみたら、
見えたりするんだろうか。
私の赤い糸の先は、
どこに続いているんだろうか。
空美のにこにこした笑顔を見ながら、
ふと、そんなことを思ったのだった。
「糸」 完
10代の頃
私は
水たまりの中をみつめては
水たまりに映った向こう側の世界に行きたいと
よく夢想したっけ
水たまりに映る空
「You must
be happy forever!!」
(あなたが永遠に幸せでありますように)
YAKUSOKUDAYO END