ゆう

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5/9/2025, 9:57:49 AM

「シーターーー!」

「パズーーーー!」

ラピュタのあのシーンで、
手が届かなかったらどうなってたんだろう?


「海に捨ててーー!」


バキューーーン!



…思うに、ラピュタは何度も手を差しのべる映画だ。

手を差しのべて、手が届いたことをくり返して、
想いが届いて、深まる二人の絆、
みたいなものを表現しているんだろう。

つないだ手と手。

人間の脳がここまで発達したのは、
手を使うようになってからだという。

思いを伝えるとき、
とっさに手を差し出すのは、
もっとも人間らしい行動なのかもしれない。

届いてよかった。



届かない......
おわり

5/8/2025, 9:56:19 AM

「ここに二枚の絵があります。」

「どちらの絵がより好きですか?
 ピンと来たほうを教えてください。」

占い師の後ろには二枚の絵が飾られていた。

一枚目は、絵の左側に木漏れ日が差し込んでいる絵。

もう一枚は、絵の右側に木漏れ日が差し込んでいる絵。

私は直感で左側に木漏れ日が差し込んでいる絵を選んだ。

「左側ですね。あなたは直感派です。そして、左利きですね。」

当たっていた。
私は左利きで、あれこれ考えるよりも
直感で物事を決めてしまうタイプだった。

「なんでわかるんですか?」
私は占い師に聞いた。

「不思議なんですが、みなさん利き手側に木漏れ日がある絵を
 選びがちなんですよ。」

「おそらく利き手側に安心感を感じやすいという、
 心理的なものだと思います。」

占い師は続けた。

「あなたの運命の人は、
 『左側に木漏れ日が差し込んでいるような人』でしょう。」


なんやねん、それ。



木漏れ
  日
  おわり

5/5/2025, 9:38:56 AM

「次に目が合ったら告白しよう。」

少年はそう考えていた。

少女は目を反らした。

少年は目を伏せた。

少年は諦めた。


「次に目が合ったら告白しよう。」

少女はそう考えていた。

少年は目を伏せた。

少女は諦めた。




すれ
 違う
  瞳
    完劇

5/4/2025, 9:28:06 AM

青い男と
青い女

二人はまだ
青かった

店頭に並んだ
熟れる前の二本のバナナのような

未熟だった
未完だった

でもね、
青も塗り重ねれば

限りなく黒に近くなる
黒に染まる

だからいまは、

青いままでいい
青のままがいい

いつか青くなくなる

その日まで





青い   終
い    劇

5/3/2025, 5:39:34 AM

甘い記憶?

苦い過去?

そういうのは全部自分が引き連れてくるもんだ。

自分の中になければ、それはない。

誰かを嫌だと思ったり、あいつ嫌いと思ったりすることもない。

それらはすべて自分の意識が投影させて見せている現実さ。

君の中になければ、現実にも投影されない。

君が悟りの境地に達すれば、

この世は永遠の無常のパラダイスさ。

さぁ、好きにやれよ。

好きに生きれよ。

小さいことは気にするな。

いや、いずれ気にならなくなる。


大丈夫。


おまえはもっと大きい。


おまえの魂を解放してやれ。




sweet
memories

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