『人生、良いときもあれば、悪いときもあるさ』
『たとえぐちゃぐちゃになっても、腐っても、開き直っても、なにがあってもいいのさ』
『どんな君でもいいのさ』
『どんなことになっても、なにがあっても、最後には君は君なんだから、それでいいのさ』
『かつてそちらの世界にいて、今はこちらの世界に来た人たちもそう言っているよ』
そう近未来ロボットアニメイションの銀髪の彼に似た彼は言った。
それを聞いて私は、有象無象で、有相無相の一つである私は、
このだだっ広い世界で、くだらない世界で、
今を生きようと思ったのだ。
そういえば夏はもう始まっていた。
外では蝉の声が聞こえていた。
『嵐が来ようとも』 完
お祭り
書きたいのに心身しんどくて、
色々立て込んでいて19時までに書く自信がない。
あとで書けたら書くのでとりあえず保存。
誰かのためになるならば
「君たちは『鳥カゴ理論』を知っているかな?」
授業中、映画「ペイフォワード」に出てくるケビン・スペイシー似の数学教師が急に話し始めた。
「なあに、簡単な理論でね。」
「鳥カゴは一見 檻に囲まれているように見えるが、そこにはちゃんと出入口がある。」
「その出入口は開いていると思うかい?閉じていると思うかい?どっちだろう?」
「確認しなくても知る方法があるんだ。」
「それは、『開いていると思えば開いているし、閉じていると思えば閉じている』だ。」
「つまり君たちがどう思うかによって決まるということだ。」
「これが『鳥カゴ理論』というわけだね。」
そんな理論は聞いたこともなかったが、私はとにかく眠かったのでどうでもよかった。
「つまり、思いが現実を作っているということですね?」
急に理論を理解しようとする者があらわれた。
学年一番の浅野学秀だった。
暗殺教室の浅野学秀と同じ名前の彼は、メガネをかけていることを除けば、見た目から頭脳までほぼ浅野学秀にそっくりだった。
さすが学年一番。
何にでも興味を示すその好奇心、理解力、共に秀でているというわけか。
ケビン・スペイシーは続けた。
「そうだ。思いは思いのほか現実に影響を及ぼすというわけだね。」
「じゃあ、金メダルを取ろうと思えば取れるわけですか?」
また理論を理解しようとする者が現れた。
バスケ部の通称ゴリだった。
「そうだね。取れると思ったら取れる。取れないと思ったら取れないかもしれない。」
「それが『鳥カゴ理論』だからね。」
キーンコーンカーンコーン
授業の終わりを知らせる鐘が鳴った。
私はとりあえず眠たいと思っているから夜は寝れそうだと思った。
『鳥かご』 完
なんか最近元気がない。
力が出ない。
夏なのに。
いや、夏だからか。
全部夏のせいだ。
いや、夏は好きだ。
『それはやりたくないことをやっているからさ』
『本来の君は、力に満ち満ちているんだ』
『力が出ないことをやっているから力が出ないのさ』
『カンタンさ。力が出ることをやればいいのさ』
『君がやりたいことはなんだい』
近未来ロボットアニメイションの銀髪の彼に似た彼の声が聞こえた気がした。
そうなのだ。
楽しいことだけやってたい。
楽しいことだけを積んでいきたい。紡いでいきたい。
やりたいことが日々やらなければならないことに埋もれていって、
本来の私を発揮できていないのだ。
「今日、河原で花火しない?」
LINEが来た。
とりあえず少し元気出た。
『友情』 完