「………」
男のいる部屋に設置された時計の大きな針は12を、小さな針は4を指していた。
男は家を出て自家用車に乗った。
そしてエンジンキーをシリンダーに差し込み、エンジンを始動した。
ブォォォン!という大きな音が辺りに響く。
その直後、マフラーからは排気ガスが排出され始めた。
「行くか」
男はカーナビに搭載されたBluetooth機能を用いて落ち着いた音楽を流した後、アクセルペダルを少々力強く踏み車を走らせ始めた。
「…………」
それから数分後。男は人気のない道路を走っていた。
空は先程まで真っ暗で数多の星が浮かび上がっていた。
だが、そんな空は徐々に煌めきに染まり出していた。
男は車のスピードを少し急ぐように上げた。
「……着いた」
ようやく目的地に到着した。
そこはとても綺麗な煌めきが広がろうとしている男の住む街では有名なスポットだった。
男はスポット付近に駐車し、車から降りた。
「………」
すると男は静かにズボンのポケットから煙草を一本取り出し手に持った。
その他に車のグローブボックスから取り出した長年使い続け古びたライターも手に持ち、煙草に火を付けた。
そして男は煙草を吸い始めた。
「……」
男はゆっくりと時間が流れる中で、じっくりと格別な一服を味わうと共に静かな夜明けを体感するのだった。
「永遠の花束」。
それは、共にこれからの人生を歩んでいくあなたのこと。
きっと枯れることはないだろう。
幸せとは、三者三様つまり人それぞれだ。
他人と分かち合う幸せ、独り占めする幸せ。この世には人の分だけ幸せがある、
いっぱい食べるあなた、たくさん本を読むあなた、めいっぱいスポーツを楽しむあなた、楽しそうな笑顔で絵を書くあなた、あなたの全てに私は心を奪われた。
明日、もし晴れたら思い出の場所へ行こう。
共に笑って、泣いて、怒って、焦って、全力で楽しんだあの場所へ。