初めて出会ったときから感じたあなたの優しさ、強さ。
その全てを僕はこれから先一度も忘れることはないだろう。
あなたの優しさに私は救われた。
これからもあなたはきっと優しさや強さで誰かを救っていくのだろう。
君と過ごした幸せの日々。
数え切れない程沢山の思い出。
だが、それも終わりの時が来てしまったようだ。
私は君に今までの感謝を伝えきれない程伝えた。
「さようなら」
そしてさいごに私がそう言うと、君の瞳から雫が零れ落ちた。
「待ってて」
その言葉を元気そうに口にした。
「あぁ、分かった」
私は彼に言葉を返した。
だが、そのあと彼が私の元へ帰ってくることは無かった。
きっと私の存在が彼にとっては邪魔で重かったのだろう。
彼がかえってこないと確信した私は泣き崩れるしか無かった。
いったいあの時、どんな言葉で返せば良かっただろうか。
後悔してももう遅い。彼は私のもとへ帰ってくることはないのだから。
時を繫ぐ糸があるのならあの日あの時の君に会いに行きたい。
僕たちが一生の後悔をする前へ。
何故、あの時君にむかいあんな言葉を言ってしまったのか。
そんな後悔のせいで馬鹿な妄想をする。
「………」
男のいる部屋に設置された時計の大きな針は12を、小さな針は4を指していた。
男は家を出て自家用車に乗った。
そしてエンジンキーをシリンダーに差し込み、エンジンを始動した。
ブォォォン!という大きな音が辺りに響く。
その直後、マフラーからは排気ガスが排出され始めた。
「行くか」
男はカーナビに搭載されたBluetooth機能を用いて落ち着いた音楽を流した後、アクセルペダルを少々力強く踏み車を走らせ始めた。
「…………」
それから数分後。男は人気のない道路を走っていた。
空は先程まで真っ暗で数多の星が浮かび上がっていた。
だが、そんな空は徐々に煌めきに染まり出していた。
男は車のスピードを少し急ぐように上げた。
「……着いた」
ようやく目的地に到着した。
そこはとても綺麗な煌めきが広がろうとしている男の住む街では有名なスポットだった。
男はスポット付近に駐車し、車から降りた。
「………」
すると男は静かにズボンのポケットから煙草を一本取り出し手に持った。
その他に車のグローブボックスから取り出した長年使い続け古びたライターも手に持ち、煙草に火を付けた。
そして男は煙草を吸い始めた。
「……」
男はゆっくりと時間が流れる中で、じっくりと格別な一服を味わうと共に静かな夜明けを体感するのだった。