"最初から決まってた"
高校で初めて出会った男の子。
私は、彼の笑顔に心を奪われた。
彼に気持ちを伝えることを決め、告白をした。
私の気持ちが、彼に届くことはなかった。
それから月日は流れ、
私たちは誰よりも強い絆で結ばれた、友だちになった。
そう思っていたのに。
突然、彼が言ったのだ。
「〇〇、付き合ってほしい」
私は、何が起こったのか分からなかった。
でも、気づいたときには言っていたのだ。
「よろしくお願いします」
そして、始まった私たちの恋人生活。
これから幸せな毎日が待っていると思っていた。
しかし、幸せな恋人生活は長くは続かなかった。
彼から別れを告げられたのだ。
結局、私たちは友だち止まりだったということなのだろう。
友だちでいる方がお互いに楽だった。
そう気づいてしまったら、恋人でいても辛くなるだけ。
きっと、私と君との関係は最初から決まっていたんだ__。
"目が覚めるまでに"
放課後、教室に行くと誰かが寝ていた。
そのひとは、私の好きなひとだった。
いつの間にか私は、彼の元へと歩き出していた。
そして、彼の目が覚める前に
彼の頬にそっとキスをした。
"明日、もし晴れたら"
今日もまた、
君に挨拶をすることが出来なかった。
明日、もし晴れたなら
私は君におはようって
大きな声で挨拶をしよう。
そう心の中で思った。
"澄んだ瞳"
私が高校生だった頃の話。
入学して初めて入った教室。
顔も名前も分からないクラスメイトたち。
私は黒板に貼ってある座席表を頼りに
自分の席へと向かった。
隣の席には、1人の男の子が座っていた。
小柄な男の子で身長は私とさほど変わらないように見えた。
入学して2、3日経った頃。
「学級委員を決めるから考えておいて」と
担任が私たちに告げた。
私は「クラスを引っ張っていきたい」と思い、
その日の放課後、クラスのみんなにやってみたいと伝えた。
みんなは「いいじゃん!やっていいよ!」と言ってくれた。
そんな時だった。
彼も「学級委員をやりたい」と言ってきたのは。
そして、ふたりでやることになった学級委員。
LINEや学校で話をするうちに、私は彼に惹かれていった。
愛くるしい笑顔で話す彼の姿
授業中に寝ている姿
休み時間に男子とふざけて遊んでいる姿
彼の澄んだ瞳に心を奪われた。
それから彼を好きになるまで時間はかからなかった。
彼と会えるから、彼と話せるから
学校に行くことが楽しくなった。
ある日、私は想いを告げることにした。
想いを告げた先に、何が待っているのか。
まだ私は知らない__。