"澄んだ瞳"
私が高校生だった頃の話。
入学して初めて入った教室。
顔も名前も分からないクラスメイトたち。
私は黒板に貼ってある座席表を頼りに
自分の席へと向かった。
隣の席には、1人の男の子が座っていた。
小柄な男の子で身長は私とさほど変わらないように見えた。
入学して2、3日経った頃。
「学級委員を決めるから考えておいて」と
担任が私たちに告げた。
私は「クラスを引っ張っていきたい」と思い、
その日の放課後、クラスのみんなにやってみたいと伝えた。
みんなは「いいじゃん!やっていいよ!」と言ってくれた。
そんな時だった。
彼も「学級委員をやりたい」と言ってきたのは。
そして、ふたりでやることになった学級委員。
LINEや学校で話をするうちに、私は彼に惹かれていった。
愛くるしい笑顔で話す彼の姿
授業中に寝ている姿
休み時間に男子とふざけて遊んでいる姿
彼の澄んだ瞳に心を奪われた。
それから彼を好きになるまで時間はかからなかった。
彼と会えるから、彼と話せるから
学校に行くことが楽しくなった。
ある日、私は想いを告げることにした。
想いを告げた先に、何が待っているのか。
まだ私は知らない__。
7/31/2024, 5:38:02 AM