胃弱

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10/13/2024, 10:58:10 AM

 あいつ本当に子供っぽいんだぜ?
 
 俺はいつものように近所の友達(だち)と他愛もない話をしていた。


 『あいつさぁ、最近、入って来たばかりの癖にいつも俺には大人びた風貌で睨んでくるんだよ。』

 「はは、お前嫌われてるんじゃねぇか?」

 他の友達も馬鹿げたように笑みを溢す。

 『かもな、でもよぉ。何がムカつくってあいつ姐さんには子供っぽい顔して甘えてんだよ』

 『帰るたび姐さんにかまってくれぇってさ
 姐さんも姐さんで最近はあいつとばっか戯れるし。』

 俺だって、姐さんと遊びてぇよ…

 子供みたいなまん丸お目々で姐さんのこと見つめやがって

 俺と1歳しか変わらねぇだろ!

 ため息を漏らしたあと、俺は友達に向かって叫ぶ

 『あいつだって俺と同じ種の猫じゃねぇか!!』


             タイトル:子供のように

9/27/2024, 10:46:53 AM

 こんな人生
 もう嫌だ!
 全員殺してやる!

 そう言った男の身体には
 大量のダイナマイトが括り付けられていた。

 大都会のど真ん中

 騒然とする人々
 蒼然とした顔になる警察達

 死にたくないと逃げ惑うお金持ち
 死ねるチャンスでは?と期待する人達

 マスコミは恐怖よりも好奇心に駆られている
 現場にいないアナウンサーの焦る顔


 そして、ついに男はダイナマイトに火を付ける!
 あぁ!終わりだぁ!!

 と、思ったが一瞬のような出来事は
 何事もなかったように一瞬で終わった。

 男は何とも言えぬ顔で
 ただ、呆然とその場に立ち尽くしていたのだった。

                タイトル:通り雨

9/18/2024, 11:17:53 PM

 夜になると
 ここの地域は電灯がほとんど無いせいで
 暗闇に包まれる。

 特に見入れるほどの夜景がある訳ではないが 
 今日の夜景は一段と綺麗に感じた。

 
 赤やオレンジが空に届きそうなほど
 大きく広がりを魅せ
 辺りに無数の欠片を残していく。

 いつも静かなここも
 今日は祭りのように沢山の声が響き続ける。

 地域では珍しいパトカーや消防車
 それを取り上げる記者やテレビ局
 やけに若者も多く見えた

 そして
 僕はただそれを
 写真に収めておきたい思った。

                タイトル:夜景

9/6/2024, 5:03:25 AM

 青い海!
 白い砂浜!

 ついに来たぞー!
 ホントに綺麗だなぁ

 ここなら、きっとあいつも喜んでくれる!

 お!あったぁ!
 この貝殻いいなぁ
 よし、ここの隣に……うん!似合ってる!
 これでおっけー

 次は、あの子も連れてこよっと。


久々に海に来たな
昔は、よくここへ来てたっけ
貝殻とかめっちゃ集めて、母さんに怒られたなぁ
「おーい!〇〇もこっち来いよー」
友達が僕の名前を呼ぶ。

せっかくだし、面白い貝殻でも持っていってやるか

ふと、近くに沢山貝殻があるところを見つけた。
…?
貝殻か?これ?
白い塊が所々に落ちている。
形は、バラバラで大きい物から複雑な形まで。
妙に見たことのあるようなそれに
少しずつ鳥肌が立っていく。

そこにある砂を少し掘ると
ようやく、それが何か分かった。
思わず、悲鳴が上がり腰が抜ける。
それと同時に
すぐに僕は、警察に電話した。
          
                 タイトル:貝殻

8/31/2024, 10:30:51 AM

 足りない、パーツは、なんだろう

 生きる為の心臓

 考える為の脳

 物を持つ為の手

 歩く為の足

 機能を果たす為の他の臓器

 笑う為の顔

 他にも色々付け足して…
 足りない物はあるかな
 
 
 よし、多分大丈夫だよな
 
人間になる為の検査室に向かった。
結果は
    『不合格』

  ………?なんでだろう
 あの、僕に足りない物は何だったんですか?

 あぁ、君ね
 確かに惜しかった。
 ただ、一つだけ足りない物がある。
  
 それはね、心だよ
 
              タイトル:不完全な僕

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