祭囃子が聞こえる。
鈴の美しい音
太鼓が鳴り響く音
人々が賑わいを魅せる音
どれもが魅了される音
でも、
私にとってはこの音達は辛い音
だって
みんなこのお祭りが何のお祭りか分かってないから
教えてあげる
このお祭りのホントのイミ
昔ね、ここがまだそんなに発展してなかった頃
一人の少女が人柱になったっていうお話……
タイトル:お祭り
私の名前は……あれ?
なんだっけ?
おかしいな
思い出せないや
さっきまで覚えてた気がしたのに
それに目の前の男の人って誰だろう?
なんでそんな悲しそうな顔してるの?
というかここどこ!?
びょ、病院!?
なんで!?私が?
う、、頭いったぁ
ズキズキする
あの、私ってあなたとどういう関係なんですか?
え!?恋人!まじか!
私に恋人とかいるんだ…
あの、すみません
ここに〇〇さんがいらっしゃると聞いたんですが
どこの号室にいますか?
え!数日前に退院したんですか?
でも、家にはいなかったし、それにメールも…。
あの一人で帰ったんですか?
え!一体誰と!!
彼氏と?いや、冗談やめてくださいよ、、
そんな、、
だって俺が
あいつの彼氏なのに、、、
じゃあ、あの子は誰と帰ったって言うんですか!
タイトル:私の名前
もし、この世界で願う事があるならば
1度でいいから綺麗な星空を見てみたいんだ。
いつも絵本でしか聞かされたことないから
でも、、、
きっと生で星空を見ることは一生叶わないだろうな。
こんなにも淀んでいて
こんなにも悪臭が漂っていて
こんなにも多くの人が叫んでる
お母さんもお父さんもお兄ちゃんもみんなどこかへ行っちゃった。
どこへ行ったの?
熱いよ
暗いよ
怖いよ
空から雨のように降り続ける痛い何か
同じ服を着た人がみんなを襲ってる
あ
でも
空を見上げると
それがたくさんの綺麗な星空に見える
薄れゆく意識の中
小さな命はそう思った。
タイトル:星空
こんな時代に産んでしまってごめんね
そんなことないよ
母さん
僕はまだ産まれたばかりだけど
母さんと一緒にいけるなら嬉しいよ
だから次はもっと沢山遊んでね
戦時中、一人の女性と一歳くらいであろう子どもは静かに息を引き取った。
ここはまるで天国だ…
罪を犯した人間を裁く鬼となってから早数ヶ月。
ここは社員が多いおかげもあり、すごくホワイトだ。
週休2日制がきっちりしていて、定時には絶対上がれる。
福利厚生もばっちりしてるから、具合が悪いときはちゃんと休ませてくれる。
時々、有休扱いで早く上がらせてくれたりもする。
休日の上司からの呼び出しなんてもちろんない。
会社のモットーは、『残業0を目指して』
ちゃんと実行されてるのがホワイトの証だ。
今度の会社である慰安旅行どこなのかなぁ。
楽しみだぁ。
ここはまるで地獄だ…
白い翼が美しい天使になってから早数ヶ月。
ここは異常なほどの人手不足のせいかすごくブラックだ。
週休2日?定時で帰れる?なんだそれ。こちとら1ヶ月は休めてないし、定時に上がれたことなんてない。
どんなに具合悪くても、仕事行かなきゃだしさ。
有休なんて永遠に消化出来ないし。
そもそも有休使うと負けみたいな空気だし。
ようやく休めても上司から呼び出し来て結局休み消えるし。
会社のモットーは、『皆の為に頑張ろう』
皆って?頑張る?はぁ、何を頑張るんだよ…
はぁ、今度の休みはいつになるんだろうなぁ
しんどいなぁ
タイトル:天国と地獄