記憶
記憶の奥に眠る夢。
叶わないと諦めた夢。
きっかけはわからない。
ただ思い出してしまった。
忘れられれば良かったのに。
私は今日も明日もここにいる。
人生を削って物語を書いている。
読者のことなんて考えることなく。
書きたいものだけ、書き続けている。
どうか、この物語が、届きますように。
画面の向こうにいる君に届きますように。
君と見た景色
ステージの上から浴びる拍手。
照れ笑いをする君。
私は君と見た景色を忘れない。
忘れるわけ、ない。
君は最優秀賞、私は優秀賞。
どうやっても埋まらない差。
私に才能がないことはわかってる。
君のように書けないのもわかってる。
それでも、書くしかないの。
遠ざかる君が嫌いになって。
近付けない自分が嫌になって。
今日も机に向かってる。
手を繋いで
手を繋いで何処まで行こう。
君の家まで歩いて行こう。
手を繋いで何処まで行こう。
新しく出来たカフェに行こう。
手を繋いで何処まで行こう。
新作の映画を観に行こう。
手を繋いで何処まで行こう。
あの教会に誓いに行こう。
手を繋いで何処まで行こう。
手を繋いで何処まで行こう。
これから先の未来まで
どこ?
ここはどこ?
わたしはだぁれ?
ねえ、きみは、わかる?
ここがどこで、わたしはだれか?
おしえて、おしえてちょうだい。
「ここは地獄。数多の人間を死に追いやった君にお似合いの場所さ」
大好き
大好きなあなたへ。
好き、大好き、愛してる。
すべてを捧げていいほどに。
好き、大好き、愛してる。
あなたも私を好きだよね?
好き、大好き、愛してる。
隣にいる女はだーれ?
好き、大好き、愛してる。
あなたは私のものだよね?
好き、大好き、愛してる。
私以外のものならば。
ニュースをお伝えします。
昨日、午後十時頃××県××市のマンションで女性の遺体が発見されました。住人の男性によりますと、女性との面識はなく……。