小鳥

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1/7/2024, 12:45:00 PM


「やぁ、ゆき。こんにちは」
私を【ゆき】と呼ぶこのおじいさんは、
毎日この公園に来ては、私に会いに来る。

おじいさんと出会ったあの日は雪が降っていた。
寒くて丸くなっていた私を抱き締めて、
「大丈夫だよ」とずっと暖めてくれた。

雪のように毛並みが白くて、出会ったあの日も
雪が降っていたことから、私はただの
野良猫から【ゆき】になった。

それから毎日おじいさんと会うのが
私の日課になった。

「いいこ、いいこ」としわしわの手で
優しく撫でられるのが大好きで。
短い時間だけど、この時間が私にとって
心のそこから幸せだと感じる瞬間でした。

でも

ある日、おじいさんはパタリと
来なくなりました。

寂しくて、寂しくて、寂しくて。
心にポッカリと穴が空いたような、
そんな感覚でした。


しばらくして、私の名前を呼ぶ
女の人に出会いました。

「あなたがゆきちゃんね。」
おじいさんと同じ、優しい笑顔と優しい声と
優しい匂い。なんだかすごく安心して、
とても懐かしい気持ちになりました。

「おじいちゃんから話は聞いたよ。
聞いてたとおり、本当に雪のように綺麗な
猫ちゃんなのね。」と優しく話かけながら、
私の頭をふわりと撫でてくれました。

「おじいちゃんが待ってるよ。
さぁ、一緒に帰ろうか。」
そう言って私を優しく抱き上げてくれたときの
女の人の声は少し震えていました。

何でかは分からないけど、難しいことは
よく分からないけど、涙が止まりませんでした。

女の人はそんな私を見て、もう一度
優しく抱き締めてくれました。


季節は巡って、また雪が降る季節になりました。
窓から見る雪は何度見ても不思議な感じです。
私はおじいさんの写真の側で「にゃあ」と
言い、そっと寄り添いました。

私に名前をくれたあの日からずっと、
雪を見ると思い出すのは、おじいさんとの
優しい思い出ばかりです。


#4 『雪』

1/6/2024, 6:35:49 PM


「ねぇ、ここのドーナツ
すごく美味しいって有名なの。
半分こして一緒に食べましょ?」

「このアイスすごく美味しかったの!半分どうぞ」

「寒かったから肉まん買っちゃった!
はい、半分こね」

君は本当に半分こするのが好きなんだね、
と悪戯っぽく言ってみたら

「【あなた】と半分こするのが好きなの。
2人で同じものを食べた後、美味しかったねって
話す時間が愛おしいくらい大好きなの。」

そう微笑みながら、少し恥ずかしそうに
話す彼女を見たらなんだか胸が
いっぱいになって泣きそうになった。

僕もだよ。僕も君と一緒に過ごす時間が本当に──


#3 『君と一緒に』

1/5/2024, 11:44:04 AM


寒い冬の季節になると、
布団の中で体を丸めて眠るうちの猫。

そんなある日
猫がスタスタと窓の方に向かっていって、
のんびりとくつろぎ始めた。
窓からはポカポカと暖かい日差しが
差し込んでいて、
心地良い空間が広がっていた。

幸せそうに目を細めて
うたた寝をする猫を撫でていたら、
何だか私まで眠くなってきた。

寒い季節のはずなのに
あの瞬間だけ、一足早い
暖かい春が訪れていました。


#2 『冬晴れ』

1/4/2024, 12:06:00 PM


大きさなんて関係ない。

小さな幸せも、自分にとって
かけがえのない日常の一部に
なったのなら、それはとても
素敵なことだから。

大事なのは他人と比べないこと。

小さなことでも幸せだと思えたのなら
きっと私はずっとずっと幸せだ。


#1 『幸せとは』