John Doe(短編小説)

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5/28/2024, 11:14:49 PM

覚醒


君の言葉が僕を目覚めさせた
君の言葉が僕を奮い起たせたんだ
僕は勇気を得た

神様は知っているだろうか?
僕は地獄の日々の中に楽園を見つけたことを
そしてそこでノートの切れ端に愛の言葉を綴っていたことを

すべてが心地よい
すべてが新しく、爽やかだ
僕は風の中で、朝日を浴びて立っている

工事現場のそばのアパート
子供たちのはしゃぎ声が聞こえる校庭
水平線の彼方にぽつんと見える貨物船

すべてが心地よい
すべてが新しく、爽やかだ
僕は抗鬱薬が全身の血管に行き渡るのを感じる

5/28/2024, 1:27:35 AM

頭の中のサウンドトラック


罰を受けなければならない。
僕は許されない罪を犯した。
その証拠がこの心のイタミ。

悲鳴を上げたってムダだ。
泣き叫んだって無意味だ。
誰も僕を慰めてなんかくれない。

この痛みは僕の罰。
この苦しみは僕なりの贖罪。
平穏が欲しい、どこまでもまっすぐな。

音楽が聴こえてくる。
懐かしい、母親の子宮の中にいたときに聴いた曲。
生まれる前のセカイにあった曲。

安らぎが欲しい。
お前は生きているだけで迷惑だからね
安らぎが欲しい。
お前なんか誰も必要としていないんだよ
安らぎを与えてくれ。
お前は出来損ないなんだ、もう終わりなんだ
ただただまっすぐな平穏と安らぎをください。
お前はもう戻ってこなくていい

音楽が鳴り止み、僕は眠りについた。

5/27/2024, 12:43:05 AM

立方体


僕は見てはいけないものを見てしまった。
触れてはならないものを触れてしまった。

このセカイのあちこちに散りばめられた不安や憎悪といった混沌をかき集めた、小さな箱を。

そして僕は自己破壊を繰り返すことになった。
廊下の奥からは不気味な根が触手のように僕の首を絞めようと追いかけてくる。
日の光は届かない。

その小さな立方体こそ、僕だったのだ。

5/26/2024, 1:36:40 AM

業火


薪を火にくべろ
薪を火にくべろ
奴らは笑っている
奴らは笑っている

君はパニックになるんだ
どうしようもないくらいにね
君は慌てふためくだろう
どうしようもないくらいにね

猜疑心が君を狂わせる
問題ないフリをしたって無駄なんだ
奴らは全部お見通しさ
猜疑心が君を追い詰める
目を閉じたって決して逃れられない
奴らは全部お見通しさ

ごうごうごうごうごうごうごうごう

蒼い炎が燃え続けている
その炎を絶やすな
その炎を絶やすな
この冷徹な世界を燃やし続けろ

君が最後を見届けるんだ

4/23/2024, 2:14:24 PM

変則的な愛はミルキーウェイのように


ちっぽけな僕のギャラクシー
でも壮大なオーケストラ
奏でるのさ、恋の交響楽
金色の紙吹雪を散らして
歌い踊ろうミルキーウェイの上で

どんなつらい日々も
乗り越えられるようになってるのさ
その先にあるのは変則的な愛だよ
聞こえるだろう?
彼らは君を迎えに来たのさ

心は強くなるよ
そして未来へ続いてる だから

顔を上げて前に進もう
美しい日々がやって来るよ
新しい日々はすぐそこさ
楽しい日々がはじまるよ

ちっぽけな僕のギャラクシー
バベルの塔からやって来るよ
ダイヤモンドの空を奏でながら…

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