John Doe(短編小説)

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6/15/2023, 6:23:33 AM

かわいそうな少女


コンビニから帰っていると
かわいそうな少女がいた。
雨なのに傘をさしていない
ずぶ濡れ少女。
ぼくは「お入り」と傘を差し出す。
彼女はぼくを見つめるなり逃げていった。

「何もしないよ…」
降りしきる雨の中呟いた。

6/14/2023, 2:31:44 AM

クロール


深夜のプールに飛び込む
無数の泡が昇っていく
三日月が波の中に砕け散る
水の音以外に何も聞こえない
不安は存在しない
瞼を閉じる
淡い淡い闇が降りてくる
クロールをすると波が顔を洗う
無心に泳ぎ続ける
夜風が荒れた心を慰める
インディゴブルーの世界に入っていく…

6/13/2023, 1:54:15 AM

ショットガン


ガシャッ。
ズドン!

嫌な思い出が死にました。

ガシャッ。
ズドン!

過去が死にました。

ガシャッ。
ズドン!

憂鬱な感情が死にました。

ガシャッ。
ズドン!

未来が死にました。

ガシャッ。ガシャッ。ガシャッ。
ズドン!ズドン!ズドン!!

私は死にました!
私は死にました!
私は死にました!!
万歳。

6/10/2023, 12:23:02 PM

ロゴス


@. 「わたしは鳥になりたいなっていつも思うの。この窮屈な世界から飛び立つのよ」

\. 「今月には必ず全額支払います。ですから、会社にだけは連絡しないでください。お願いします」

#. 「父さんはなんにもわかってないんだ。僕の夢を否定しないでよ」

/. 「結局さ、どんな男も動物なわけよ。アイツもセンコーも校長も、みんなヤりまくってる」

". 「あの女が□を不幸にしてるのよ。わたしならあの人を幸せにできるんだから」

*. 「お前見てっとさ、イライラするんだよ。なんだよその目は? 文句あんなら言えよ」

;. 「まもなく4番乗り場に列車が到着します。危険ですから、白線の内側までお下がりください」

:. 「ねぇ、帰りにさ。例の店に寄らない? すっごく美味しいクレープ食べようよ」

^. 「俺は天才なの。もうすぐ売れるんだ。バカにしやがって凡人どもが」

<. 「みなさんに悲しいお知らせです。クラスの大切な仲間である□さんが自ら命を断ちました」

>. 「これは現実じゃない。こんなことがあってたまるか。どうしてうちの息子が…」


A. この世界は汚れた電波で溢れている。

A. この世界は生きにくい。

Q. この世界から抜け出すには?
A. 肉体を捨てるしかない。あるいは、魂の入れ物であるこの宇宙服を脱ぎ捨てるしかない。

A. ロゴスを受信するとき

A. わたしは汚れる。汚濁。

6/9/2023, 11:44:07 PM

俺、ナードの青春、夏とガスガン


それはクソ暑い夏だった
ナードの俺は夏がとにかく嫌いだった
半袖とセーラー服が入り雑じる教室
あのコの髪がエアコンでゆらゆら
もうすぐ夏休みだカラオケにでも行こう

地元のヤンキーがオラついてやがる
きっと海にでも行ってサーフィンするだろう
俺は薄暗い要塞に込もってネットサーフィン
あのコの水着姿をイメージする
ドキドキが止まらない
俺は引き出しからガスガンを取り出し走った

庭で親父のビールの缶をガスガンで撃つ
乾いた銃声 ビシッと打撃音 セミの鳴き声
俺の青春ってなんだろう
俺は今恋をしているのだろうか
ウォークマンから懐メロ
金曜の洋画劇場
アイスクリーム
俺の青春、そこに恋が加わる
少女の夏、俺の夏
告白なんかできやしないよな
ガスガンで俺の心を貫いた

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