かわいそうな少女
コンビニから帰っていると
かわいそうな少女がいた。
雨なのに傘をさしていない
ずぶ濡れ少女。
ぼくは「お入り」と傘を差し出す。
彼女はぼくを見つめるなり逃げていった。
「何もしないよ…」
降りしきる雨の中呟いた。
クロール
深夜のプールに飛び込む
無数の泡が昇っていく
三日月が波の中に砕け散る
水の音以外に何も聞こえない
不安は存在しない
瞼を閉じる
淡い淡い闇が降りてくる
クロールをすると波が顔を洗う
無心に泳ぎ続ける
夜風が荒れた心を慰める
インディゴブルーの世界に入っていく…
ショットガン
ガシャッ。
ズドン!
嫌な思い出が死にました。
ガシャッ。
ズドン!
過去が死にました。
ガシャッ。
ズドン!
憂鬱な感情が死にました。
ガシャッ。
ズドン!
未来が死にました。
ガシャッ。ガシャッ。ガシャッ。
ズドン!ズドン!ズドン!!
私は死にました!
私は死にました!
私は死にました!!
万歳。
ロゴス
@. 「わたしは鳥になりたいなっていつも思うの。この窮屈な世界から飛び立つのよ」
\. 「今月には必ず全額支払います。ですから、会社にだけは連絡しないでください。お願いします」
#. 「父さんはなんにもわかってないんだ。僕の夢を否定しないでよ」
/. 「結局さ、どんな男も動物なわけよ。アイツもセンコーも校長も、みんなヤりまくってる」
". 「あの女が□を不幸にしてるのよ。わたしならあの人を幸せにできるんだから」
*. 「お前見てっとさ、イライラするんだよ。なんだよその目は? 文句あんなら言えよ」
;. 「まもなく4番乗り場に列車が到着します。危険ですから、白線の内側までお下がりください」
:. 「ねぇ、帰りにさ。例の店に寄らない? すっごく美味しいクレープ食べようよ」
^. 「俺は天才なの。もうすぐ売れるんだ。バカにしやがって凡人どもが」
<. 「みなさんに悲しいお知らせです。クラスの大切な仲間である□さんが自ら命を断ちました」
>. 「これは現実じゃない。こんなことがあってたまるか。どうしてうちの息子が…」
A. この世界は汚れた電波で溢れている。
A. この世界は生きにくい。
Q. この世界から抜け出すには?
A. 肉体を捨てるしかない。あるいは、魂の入れ物であるこの宇宙服を脱ぎ捨てるしかない。
A. ロゴスを受信するとき
A. わたしは汚れる。汚濁。
俺、ナードの青春、夏とガスガン
それはクソ暑い夏だった
ナードの俺は夏がとにかく嫌いだった
半袖とセーラー服が入り雑じる教室
あのコの髪がエアコンでゆらゆら
もうすぐ夏休みだカラオケにでも行こう
地元のヤンキーがオラついてやがる
きっと海にでも行ってサーフィンするだろう
俺は薄暗い要塞に込もってネットサーフィン
あのコの水着姿をイメージする
ドキドキが止まらない
俺は引き出しからガスガンを取り出し走った
庭で親父のビールの缶をガスガンで撃つ
乾いた銃声 ビシッと打撃音 セミの鳴き声
俺の青春ってなんだろう
俺は今恋をしているのだろうか
ウォークマンから懐メロ
金曜の洋画劇場
アイスクリーム
俺の青春、そこに恋が加わる
少女の夏、俺の夏
告白なんかできやしないよな
ガスガンで俺の心を貫いた