NoName

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9/10/2023, 1:03:25 PM

 埋められない。埋まらない。
 もしかしたら、最初から無かったかも知れないのに。
 ずっと、心に満たされない穴が空いている。

7/13/2023, 11:13:13 AM

 貴女よりわたしの方が相応しいと思っていた。

 不器用で、凡庸で、天邪鬼で、秀でているところなんて何にも無い。
 成績も、家柄も、人望も、全部全部わたしの方があるはずだと思っていた。
 あの人の隣に居るべきは、貴女じゃなくてわたしだと思っていた。

 でも、それは上辺だけの幼稚な優越感でしか無かった。
 本質が見えていなかった。
 あの人と貴女の間にある本当のものが視えていなかった。

 わたしより劣っているはずの貴女の方が、よっぽどあの人を理解していたなんて知りたくなかった。

7/9/2023, 2:12:52 AM

 月下の明かりは人々を照らす。
 まるで人の営みそのものが星々になったかのように、違う輝きを日々灯す。

 陽の下の明かりは届かない。
 陽こそが街を照らす明かりだから。

7/5/2023, 3:55:11 AM

 サイコロの出目。
 円周率の桁数。
 一番大きい素数。
 ヒトが産まれる前の星の営み。
 ヒトが終わる時。
 選ばなかったもしもの未来。

 きっと、確かなものを神様だけが知っている。

6/30/2023, 10:23:26 AM

 例えば、互いの小指から伸びている赤い糸の先が違ったとしても、切り落として結び直してしまえば良い。
 身も、心も、赤い糸を喰い込ませて、肌に奔る赤い傷すら繋がりに変えて、決して離れないように雁字搦めにしてしまえば良い。
 運命? そんな不確かなものに身を任せてないで。
 君を僕から離れられなくして、血すら交わるほど深みに君を連れて行くことが出来たなら。

 ほら、勝手に繋いだ結び目なんて、君の胎に隠してしまえばもう誰にも判らないよね?

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