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 貴女よりわたしの方が相応しいと思っていた。

 不器用で、凡庸で、天邪鬼で、秀でているところなんて何にも無い。
 成績も、家柄も、人望も、全部全部わたしの方があるはずだと思っていた。
 あの人の隣に居るべきは、貴女じゃなくてわたしだと思っていた。

 でも、それは上辺だけの幼稚な優越感でしか無かった。
 本質が見えていなかった。
 あの人と貴女の間にある本当のものが視えていなかった。

 わたしより劣っているはずの貴女の方が、よっぽどあの人を理解していたなんて知りたくなかった。

7/13/2023, 11:13:13 AM