クラゲのように燻る煙を眺めていたら
タバコの灰が、ポトリとシンクに落ちて。
押し潰すように、火を消すと
また、無気力に次の一本に火をつける。
就職してから
動きもしなかったグループLINEに
通知が来たのは半月前だった。
急な訃報の知らせだった。
学生時代に、毎日のように
連れあった。
時には、安い酒でお互いに
朝まで夢を語った。
就職してからは、がむしゃらに
食らいついてお互いに働いた
そんな、あいつが何故…先に逝った。
何故…自ら…命を…
ズルズルと足の力が抜けていく。
最近じゃ、毎晩こんな感じだ
受け入れきれない感情が
夜になると、襲ってくる。
俺は、何ひとつ受け入れていない
葬儀の日も、火葬の時も
ただ、俺にはこのまま進むしか術はない
今はこのまま生きるしかない。
いつか、この感情の落としどころを
見つけるまで
まだ、泣くことすら出来ないけれど
【お題:明日に向かって歩く、でも】
てのひらは、空なんだよな。
宇宙は、広いんだよな。
ただ、手と手が触れるとき
誰かの背中をさする時
大好きな本の表紙を撫でるとき
ぎゅっと、てのひらを
握りしめた時や、涙を拭うとき
その時だけは…
心が動くようなそんな時だけは
てのひらに宇宙が
あるかもしれない。
星空を眺めることはあっても
宇宙にまで、意識を向けることは
なかなか無いから。
てのひらを眺めて、首をかしげる。
相変わらず、てのひらは空っぽだ。
【お題:てのひらの宇宙】
いつまでも
どこまでも
力強く歩む、君が素敵だ。
コチラを向いて
大きく微笑む君が、好きだ。
時には、僕の腕に手をまわして
もたれ掛かる甘えたな
君を守りたいと、思うんだ。
君の右手には、白杖。
僕は左側にいつも居よう。
そして、たくさん出かけよう。
まだ見ぬ景色を求めて。
【お題:まだ見ぬ景色】
未来への鍵は幾つもあるんだ。
未来へ続く道も扉も
思いと想いで
色も形もその先の景色も
変わるんだ。
あかちゃんが、ぎゅうっと
手のひらを握りしめて
産まれてくるように。
その時からずっとずっと
大切なものは
なくさないように
しまい込んであるよ。
目に見えるものだけが
『本物』じゃないことを
いつの間にか、知っているように。
未来への鍵も、目には見えなくても
きっと感じることが出来る。
今じゃなくても…
いつかきっと、きっと。。
【お題:未来への鍵】
幸せとはと、考えていると
浜辺の波が浮かんだ。
寄せては返す
気持ちの送り合いが
繰り返し繰り返し
それは、眺めていても幸せで
ずっと前に送った喜びが
思いがけず
また、戻ってくることもあるだろう。
波が引くときには
幸せの余韻も残るし
波の音は、心を癒してくれる
リズムだ。
大波や小波はあるけれど
海は凪いでも
浜辺の波は止まらない。
【お題:幸せとは】