NoName14

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1/20/2025, 12:33:11 PM


クラゲのように燻る煙を眺めていたら
タバコの灰が、ポトリとシンクに落ちて。

押し潰すように、火を消すと
また、無気力に次の一本に火をつける。

就職してから
動きもしなかったグループLINEに
通知が来たのは半月前だった。

急な訃報の知らせだった。

学生時代に、毎日のように
連れあった。
時には、安い酒でお互いに
朝まで夢を語った。

就職してからは、がむしゃらに
食らいついてお互いに働いた
そんな、あいつが何故…先に逝った。

何故…自ら…命を…
ズルズルと足の力が抜けていく。
最近じゃ、毎晩こんな感じだ

受け入れきれない感情が
夜になると、襲ってくる。
俺は、何ひとつ受け入れていない
葬儀の日も、火葬の時も

ただ、俺にはこのまま進むしか術はない
今はこのまま生きるしかない。

いつか、この感情の落としどころを
見つけるまで
まだ、泣くことすら出来ないけれど


【お題:明日に向かって歩く、でも】

1/18/2025, 12:52:33 PM


てのひらは、空なんだよな。
宇宙は、広いんだよな。

ただ、手と手が触れるとき
誰かの背中をさする時
大好きな本の表紙を撫でるとき

ぎゅっと、てのひらを
握りしめた時や、涙を拭うとき

その時だけは…
心が動くようなそんな時だけは

てのひらに宇宙が
あるかもしれない。

星空を眺めることはあっても
宇宙にまで、意識を向けることは
なかなか無いから。

てのひらを眺めて、首をかしげる。
相変わらず、てのひらは空っぽだ。


【お題:てのひらの宇宙】

1/13/2025, 12:17:13 PM


いつまでも
どこまでも

力強く歩む、君が素敵だ。

コチラを向いて
大きく微笑む君が、好きだ。

時には、僕の腕に手をまわして
もたれ掛かる甘えたな
君を守りたいと、思うんだ。

君の右手には、白杖。
僕は左側にいつも居よう。

そして、たくさん出かけよう。
まだ見ぬ景色を求めて。


【お題:まだ見ぬ景色】



1/11/2025, 1:50:59 AM


未来への鍵は幾つもあるんだ。

未来へ続く道も扉も
思いと想いで
色も形もその先の景色も
変わるんだ。

あかちゃんが、ぎゅうっと
手のひらを握りしめて
産まれてくるように。

その時からずっとずっと
大切なものは
なくさないように
しまい込んであるよ。

目に見えるものだけが
『本物』じゃないことを
いつの間にか、知っているように。

未来への鍵も、目には見えなくても
きっと感じることが出来る。
今じゃなくても…
いつかきっと、きっと。。

【お題:未来への鍵】

1/5/2025, 3:05:26 AM


幸せとはと、考えていると
浜辺の波が浮かんだ。

寄せては返す
気持ちの送り合いが
繰り返し繰り返し

それは、眺めていても幸せで

ずっと前に送った喜びが
思いがけず
また、戻ってくることもあるだろう。

波が引くときには
幸せの余韻も残るし
波の音は、心を癒してくれる
リズムだ。

大波や小波はあるけれど
海は凪いでも
浜辺の波は止まらない。


【お題:幸せとは】

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