NoName14

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クラゲのように燻る煙を眺めていたら
タバコの灰が、ポトリとシンクに落ちて。

押し潰すように、火を消すと
また、無気力に次の一本に火をつける。

就職してから
動きもしなかったグループLINEに
通知が来たのは半月前だった。

急な訃報の知らせだった。

学生時代に、毎日のように
連れあった。
時には、安い酒でお互いに
朝まで夢を語った。

就職してからは、がむしゃらに
食らいついてお互いに働いた
そんな、あいつが何故…先に逝った。

何故…自ら…命を…
ズルズルと足の力が抜けていく。
最近じゃ、毎晩こんな感じだ

受け入れきれない感情が
夜になると、襲ってくる。
俺は、何ひとつ受け入れていない
葬儀の日も、火葬の時も

ただ、俺にはこのまま進むしか術はない
今はこのまま生きるしかない。

いつか、この感情の落としどころを
見つけるまで
まだ、泣くことすら出来ないけれど


【お題:明日に向かって歩く、でも】

1/20/2025, 12:33:11 PM