カレンダーには
よほど、大事な用事以外は
書き込むのをやめた。
空白の少ない、スケジュール帳も
鞄から放り出した。
文字の羅列に、縛られて
カレンダーやスケジュール帳を
見る度に、時間を逆算して
息が苦しくなった。
最初のうちは
それが、自己満足でやり甲斐でも
あったのに。
あの、ビッシリと書き込まれた
カレンダーは、私の自信の無さ…
そのものだったのかもしれない。
真っ黒であるほどに、求められている
ような…自己陶酔の世界。
そのうちに、大事なモノも書き潰して
しまった気がする。
それは、私には合わなかったんだ。
予定はあるけど
いま、家のカレンダーには
空白が沢山ある。
それだけで、なんだか少し
穏やかでいられる。
【お題:カレンダー】
私は、世界に一つだけ
皆んなも、世界に一つだけ
どこを、見回してみても
世界に一つが、溢れている。
同じ景色を見ても
同じ食事をしても
感じかたも、世界に一つだけ。
世界に一つは、特別なことじゃない。
もしかしたらこの世界自体は
『無』みたいなもので
そこに、感情という色彩を垂らすから
波紋のように広がって
何かを感じながら、人は生きているのかも
しれない。
【お題:世界に一つだけ】
踊るように
泳ぐように
舞い上がるように。
生きる為の
生活の動作が、会話が、心が…
そうであれば良いのにと。
同じ天井を眺めながら
何度も、思った。
踊り出すと手を引かれ
泳ごうとすると、波は去り
舞い上がる為の翼は、羽ばたかない。
諦めなさいと重石を
幾つも担がされているような
そんな日も…
私の思考は、とめどなく。
踊るように
泳ぐように
舞い上がる。
【お題:踊るように】
貝殻の内側は、なんて
美しいんだろう。
見る角度によって、色が変わり
星のようであり、虹色にも見える。
内側の幾重もの薄い層の反射と
光の反射、反射光同士が干渉して
出来るのだとか。
軽く調べた、浅知恵だから
間違いも多々あるかもしれないが
反射光同士が干渉するという点が
気になった。
まるで、人間関係のようだなと。
お互いが、存在してこその
美しさが続く時もあれば
逆に、弱めてしまうこともあるのだ。
手のひらの、小さな宇宙を浜辺に
そっと戻し…目の前に広がる海を眺めた。
この浜辺に散らばる無数の貝は
なんて、ちっぽけなのだろうと…
目に見えぬ、海の底には
まだ、知らない宇宙が無限に広がっているのだ。
【お題:貝殻】
心の灯火。
その炎は、熱いのか冷たいのか。
揺らぎは、心の動揺なのか
灯火が消えてしまえば
それは、死…なのか。
考え方も、捉えかたも
千差万別で、良いものなのだろう。
青い炎は、温度が低いようで
最も高温だと聞いた。
私の炎の受け皿には
受け止め切れそうにないなと思った。
そんなに、燃えてしまっては
身体ごと焼け焦げてしまいそうだ。
いまは、ただ
細く長く燃え続けていられたら
それでいい。
どれだけ、体勢を崩しても
消えぬ火であれば、今はいい。
燃えかすと、揶揄されても
揺らがぬ芯が 私にはあるのだから。
そう、信じている。
【お題:心の灯火】