NoName14

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10/20/2023, 3:45:58 PM


入念なイメージトレーニングも
心構えも、身だしなみも

簡単にひっくり返されるのは
分かっていても

けれど、この始まりのルーティンは
やめられない。
物事の始まりは、いつだって予測不能な
事態のお祭りだ。

だからこそ、気構えくらいは
立派な戦士でありたい。

始まりはいつも、そうやって
乗り越えてきた。
誰のせいにもしない。

私が、私の為にやるべきことだと
決めたのだから。


【お題:始まりはいつも】

10/19/2023, 10:45:30 PM


すれ違いは
小さな、小さな…かけ違いの連鎖で
躓きもしない日常に
当たり前のようにあるコトだ。

触れ合うほどの、距離で
高速で行き交う電車のように。

向こう側に向かう沢山の人々など
誰も、知らない。

皆、窓の外を見ない。
スマホの中の呟きに魅入られている。

そこにも、興味や関心の意味などなく
…ふぅんと、すれ違いなのだ。

もちろん、私も。


【お題:すれ違い】

10/18/2023, 2:10:20 PM

ポカポカと晴れそうな
秋晴れの日は、朝から忙しく

冷える朝の空気を感じながら
金木犀の香りがする道を抜け
ゴミ出しをする。

行きと帰りと、フワフワと漂う
よく育った大きな金木犀は
可愛らしい花を幾つも潜ませている。

髪を結い、エプロンをかけ
洗濯物を放り込みスイッチを入れ

次に干す、毛布をあれやこれやと
収納棚から吟味する。

3度目の洗濯が干し終わったところで
時計を見ると、昼までにはたっぷりと時間がある
少しだけ窓を開け
心地良い風と、柔らかな陽射しを
浴びながらゴロンと寝転がり
読みかけの本を…と、思ったが

あまりにも、心地良いので
今日は誘惑に負ける事にしようと
静かに目を閉じた。


【お題:秋晴れ】

10/16/2023, 2:43:26 PM

あなたが発する言葉も
やわらかな光のように…
もう少し、あたたかければ良かった。

大切にしている
お皿だって、激しくどちらかが
ぶつかれば…あまりにも簡単に
呆気なく割れてしまうよ。

もう、何枚の割れた皿を
積み上げてきたんだろうね。

元に戻る事はないはずなのに
気持ちが麻痺して、今はまだ前を向けない。

その時が、来るまでは。


【お題:やわらかな光】

10/15/2023, 1:55:27 PM


そんな目で、わたしを見ないで。

その目線はわたしを、困らせる。
動揺させる。追いやってゆく。

わたしにだけ
厳しい『私』が片時も離れず
わたしを、見張っている。

少しも優しくもなく
ただただ、悲しみに瞳を染めて。

その、鋭い眼差しが揺れて膨らんで
零れ落ちる時は
きっと、わたしも私も泣いている。


【お題:鋭い眼差し】

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