ももくりさんねんかきはちねん。
テレビをつければ
栗とさつま芋で溢れている。
スーパーに行けば
ハロウィンを意識させるお菓子と
期間限定の品が、どーんと
目に付く場所に陳列されている。
何気ない、日常からじわじわと
秋だぞと背中を押されている気がする。
私は秋という、季節に思いを寄せている。
少し素敵な便箋を、探してみたり
日々移り変わる風景に喜んでみたり
少し寒いなと感じれば
お気に入りの羽織りを引っ張り出して
外出を楽しみにしている。
そうして、はじまりの足音とともに
抱くこの憂いた感情も、まさに秋恋なのだ。
【お題:秋恋】
大事にしたい。
小さなサイン、何気ない変化。
見た目よりも、心の内側は
繊細なんだ。
分かるよ、私もそうだったから。
だけど、その時の私には
それに気付いてくれる大人が
居なかったんだ。
でも、だからこそ
私はいつもどんな時も
心だけは、離さないって
子どもたちに誓えるんだ。
宝物だから。
【お題:大事にしたい】
お前が泣くと
私も泣くよ
お前が笑うときは
私も笑おう
お前が美しく染まる夕刻には
私もお前に、染められるだろう。
空よ、天地に分かれ
見上げるばかりの私の
気持ちは、届いているだろうか。
【お題:空が泣く】
この、命が燃え尽きるまでに
私は人として「何か形ある物を残し」
私は親として「形のない大切なこと」
を、どれだけ伝え切ることが出来るだろう。
どれだけ、生き尽くすことが出来るだろう。
【お題:命が燃え尽きるまで】
なんとか、今日は持ち帰りの
仕事を抱えて帰宅せずに済んだ。
フラフラと立ち寄った
コンビニで、何を買ったかも
忘れた晩飯の入った袋を
放り投げ、そのまま玄関に崩れ落ちる。
疲れた。身体が動かない。
何より心が死ぬほどに、重い。
ここ最近、より強く思う。
消え去ってしまいたいと…
明日も明後日も休みならいいのに。
視界がぼやけて、微睡んでいく。
明日が…明日が来てしまう。
目が覚める、スマホの時刻は
5時過ぎだ…
靴を脱ぎ、やっと家に入って座り込む。
開けっぱなしのカーテン。
窓の外は
朝が夜を押し上げてゆくような
そんな光景だ。
冷蔵庫から、ビールを取り出し
流し込む。放り投げたままだった弁当を
頬張りながら。
静かな部屋で、ひとり。
昨日とは違う自分に…
生まれ変わろうと決めた。
【お題:夜明け前】