神様が舞い降りてきて、こう言った。
「赦して、進め」と。
私は両手で覆っていた顔を
上げて、神様を見上げた。
殴られ、痣だらけの私を
静かに神様は、見下ろしている。
神様の顔に、痣はなく
とても美しい。
家中引き摺り回され、ボロ衣のような
私とは違う。
腹の中で沸々と湧きそうになる
怒りを堪えて
私は、顔を背けた。
神様は、立ち去らない。
それどころか
私の背中をさすり、耳元でこう囁いた。
「よく見なさい、出口は直ぐそこにある」
はっ…とした。
外に出る扉に、鍵はかかっていない。
そして私は……
【お題:神様が舞い降りてきて、こう言った】
誰かの為になることで
自分の居場所を確保しようと
必死だった。
誰かの為になることなんて
誰も気付かないことなんだと…
知ってからは、後ずさり。
空回り。恥ずかしい。偽善者。
こんな風になるなんて…と
自分で貼り付けてしまった
レッテルを、泣きながら剥がした。
誰かの為は誰の為…
分からぬまま、彷徨いながら
私は塵になる。
【お題:誰かの為になるならば】
ぽとり。と落ちたのは
あの日の線香花火だったのか
涙だったのか。
友と、呼べる人は
人生において、どれくらい必要だろう。
楽しい時だけを
共有するなら、誰でもいい。
友情は、いつ芽生えかもわからない。
結局、私は思うのだ。
思いやりが尽きてしまえば
…もう、疲れたなと。
友と呼んだ人たちの寂しさの拠り所
になるなんて、長くはもちようがない。
だからもう、暫くは眠ろう。
擦り切れた心は、熱く痛いのだから。
【お題:友情】
あいつの口を塞ぐ知恵
【お題:今一番欲しいもの】
私の名前は、読み間違え
られることも多いけど。
この名前に、感謝している。
あなたは、この世で特別な子だよと
まだ本当に若かった、両親が
考えて考えて、名付けてくれたのだから。
そうして、私の妹にも
同じ漢字が使われている。
名前に込められた想いは
人様々だろうけど。
「お腹の赤ちゃん」と、けっこうな
人数の人たちが最初はそう
呼ばれていたんじゃないかな。
そう思うと、少しおかしくて
ふふっと笑ってしまう。
【お題:私の名前】