伝えたい。
この感動を、この喜びを、悲しさを虚しさを。
愛を。夢を。理想を。現実を。
言葉で、音楽で、身体で、絵筆で、歌で。
文章で。
伝えたいから、私は書いていく。
寒くも暑くもない、普通じゃないこの場所で、私は今日も迷子。
ここにいて、何をするか。
休憩?
何がしたいんだろう?
取り敢えず、勉強? でも何をしたらいいか判らない。
何をしたらいいかわからないまま、今日も生きている。ここから動きたいのかもわからないまま。
私の未来は迷子だ。
誰もがみんな求めるもの。
それは天気!
太古の昔から天気は人々に求められてきた。昔は、雲の形、生き物の動き、分かりうる全てから天気を予想し合ったのではないだろうか。
それは農耕に、日本なら米の取れ高に関わることだから。日照りなら雨乞いとかね。
そして人類はついには衛星を浮かべて地球の外側から雲の動き如何を調べるに至った!
今や天気は何処にいてもネットが繋がれば分かる時代。外れるなんてことは殆どない。
すごい時代だ。
それでも、今でも天気予報は時々外れる。
天気って難しい!
♪この広い野原いっぱい咲く花を
一つ残らずあなたにあげる
赤いリボンの花束にして
君が口ずさんだのは随分と時代遅れな歌だった。
「この歌はね、主人公は相手の事こんなにまで思ってるのに」
君が言う。
「最後は悲しいのよ
だから私に手紙を書いて、ですもの」
言葉とは裏腹に君の顔は明るい。君の意図が掴めなくて、僕は、ふぅん、と曖昧な相槌を打った。
君はそっぽを向いて、両手を後ろ手で組んで片一方の足をつま先立ちにする。
「もし、本当に野原いっぱいの花を赤いリボンで束ねて贈られたら、きっと、迷惑だと思うの」
身も蓋もないことを言い出す君に、相手によるんじゃない? と僕は思ったことを言ってみる。
僕はきっと君は、手紙も書いてくれない脈ナシの相手からよ? きっと迷惑。とかなんとか言うのだろうと思った。大体がいつも僕と彼女との会話はこんな感じだ。身も蓋もない世間話。
ただ、この日は違った。
「じゃあ、私があなたに野原いっぱいの花束を贈ったら、どうする?」
僕は慌てて君の方を見る。君は相変わらずそっぽを向いているが――――その頬が赤いと思うのは暮日のせいか。僕は頭が真っ白になっていた。え? どういうこと?
「どうする?」
重ねて聞いてくる君は、悪戯が成功したような顔をして、こっちに振り向いた。その頬がやっぱり赤く見えるのは、僕の欲目か。
僕の心臓が速く重く鳴ってゆく。きっと、君から見た僕の顔は赤いだろう。
僕は、取り繕うに取り敢えず咳をする。会話はややこしいが別に愛の告白をされたでなし、花を贈ったら、と聞かれただけだ。動揺するのも変だろう。いつものように。そう念じて泳いだ目を閉じ、一言。
「手紙じゃなくて、会いに行く、かな」
いつも会ってるじゃない! きゃらきゃらと笑う君の顔がどこか残念そうな苦笑いに見えたのは、僕の気のせいだろうか。
言われてみればスマイル0円って試した事がない。
今もあるのだろうか。
某有名ハンバーガー屋のスマイル0円。
注文する方が恥ずかしいやつ。