〘風に乗って〙
隣で歌声が聞こえた。
綺麗で消えてしまいそうな声。
僕はその声が好きで聞いていた。
数少ない友達の大事な歌声だった。
歌が好きで仲が良い友達。
夢を語って笑い合ってずっと隣にいた。
消えてしまいそうな歌声。
僕は友達の手を無意識に握っていた。
『安心して。どこにもいかないから。』
幼少期に兄が家出しているのを見た。
僕は兄が大好きだった。
全て知っている友達は笑っていた。
そしてまた綺麗な声で歌い初めていた。
友達の声が風に乗って希望になりますように。
〘生きる意味〙
僕はずっと親に操られて来た。
現実を見ると現在もそうなのかも知れない。
もう叶える事のない夢があった。
親に言わずずっと大切に持っていた夢。
『声を届ける仕事がしたかった』
声で人を救いたかった。
現実はそう甘いものではないのは知っている。
僕は両声類で操れた。
それが娯楽で救えたらいいなと思っていた。
夢は親に決められた。
安定して収入を得られる職だった。
就職が決まった時に親は笑っていた。
子供の涙なんて見えていない見たいだった。
僕はいい子の仮面をつけた。
悪い子なんてもういらなかった。
これから僕はいい子をつけて生きる意味を探す。
〘善悪〙
僕はどちらかというと悪い道を選ぶ。
なぜ茨の道を選ぶのか聞かれたらわからない。
楽な道は選ばなかった。
プライドとかそういうものはない。
難病を抱えている。
だからその道しかない。
そういえば納得して貰えるだろうか。
楽な道は最初から僕に示されないから。
『なんで僕は楽に生きれないのだろうか』
そう思うことがある。
何度も何度も楽な道に行こうとした。
でも楽な道になんて僕にはなかった。
神様のいたずらならなんでこんな事をするのだ。
善を沢山行った。
だが善が帰って来ることはなかった。
返ってくる来るのは悪ばかり。
僕の道は悪に包まれているのだ。
僕はこれからも茨の道を選ぶだろう。