10/21/2024, 12:34:57 PM
なけなしの金をはたいて
学校終わりに飲み歩く
カラオケになだれ込んで夜を明かす
酒でカラカラの喉を振り絞って
叫ぶように歌っていたあの曲は なんだったっけ
楽しい時間がいつも終わることを知りながら
先のことを思い詰めることも怖くて
次の日もまた、同じことを繰り返す
いつしか 玉突きみたいに
押し出されるように大人になって
押し付けられた多くのものを
ただ受け入れるしかない日々は
後退ることも
進むこともできない
大人になっても 僕は空っぽなんだって
行き場のないむなしさが
身体中を何度もはねかえる
夜に取り残された間抜けな月が
ぽかんと浮かぶ下で
叫ぶ
声が、枯れるまで
…『声が枯れるまで』
10/19/2024, 12:58:27 PM
どこかに向かう人の波
行きたい場所、会いたい人、過ごしたい時間がそれぞれあって
うねりながら出口や抜け道をめざす
触れ合う袖も短くなった現代で
多少の縁にも
気づくことのない すれ違い
会いたいと思わなければ
だれにも逢えない すれ違い
…ふいに、ぶつかる肩。かち合う視線。
もう少しだけ、まなこの奥をのぞかせて。
あなたと私に どんな因縁があったとしても
ようやく触れあった 人生だから。
…『すれ違い』
10/18/2024, 1:03:36 PM
うろこ雲
無数の魚が跳ねてできた飛沫
青のもっと奥をぐんぐん泳いで 知らない国までいくんだろう
キラキラ光る背びれをつかんで
わたしもいつか、きっと行き着く。
…『秋晴れ』