NoName

Open App
6/30/2023, 3:14:56 AM

#入道雲


海に入道雲がのぼり、
日差しが差し込む。
夏休みの宿題に風景画を描くことになっていた。
わざわざ日焼け止めまでして、1時間くらい絵を描いていた。

太陽エネルギーが与える特有の雲
激しい雨が降る予兆なんだとか。

…そろそろ帰ろうかな、続きはまた明日。

6/27/2023, 8:07:32 AM

#君と最後に会った日


小学生の夏
クラスでイジメられた僕は、学校から帰りに決まって、裏山近くの神社に通った。

そこには狐のお面を付けた僕と同じくらいの少年が暮らしていた。
お面の少年は僕とは違い勇気があって面白く、何でもできるように思えたけど、読み書きができなかった、少年が言うには彼は神社を離れるわけにはいかなかないそうだった、僕は読み書きを彼に教え、お面の少年は僕にイジメに負けない護身術を教えてくれた。

冬になり、いつしか僕は誰にもイジメられなくなり僕は学校でも友達を作れるようになっていた。

僕は仮面の少年にお礼を言いに行こうと神社によったが、そこには誰もいなかった、代わりに巻き物が一つ置きてあり、僕は中身を開いた。

中身は仮面少年の別れの言葉が不格好な字でつづられていた。

君と最後に会った日を思い出し何だか無償に寂しさが込み上げ僕は泣いていた。

それから仮面の少年はいないが毎週神社の掃除とお参りが僕の日課になっていた、
いつかまた再会できると僕は信じている。






6/26/2023, 5:21:38 AM

#繊細な花


いつものようにあの花は僕に語りかけてきた。
植木鉢に入れ、学校から帰ると部屋で僕と話しをする。
裏庭に咲いていた花、わがままでいてそれでいて可愛くて綺麗で僕はどうしてもあの花をそばに置きたかった。
あの花は日光を嫌い、些細なことにも気を使うような繊細な花だった。

けれどあの花と話しをするのは僕の唯一の生き甲斐であり、あの花を守るためなら僕はなんでも出来ると思った。

ただ問題が一つあった あの花は水の変わりに別のモノを毎日欲しがった
それが生き物の血液だった。

はじめは注射器で猫とか犬の血を採取していたが日に日にあの花が求める血液の要求量は増えていった。

僕はあの花が枯れないようにするならなんでも出来た。

動物を殺して血液を集めることにも慣れ始めた頃
あの花は僕に語りかけてきた。

「アタシ、人間の血を飲んでみたいわ」

6/23/2023, 3:34:05 AM

#日常


今日は登山に行く。
特段山が好きな訳ではない、
最低限の荷物に軽装で
選ぶのは標高の低いルートが曖昧になってる山。

車を山から下の駐車場に停めて、登山を始めた。

登山を始めたのは仕事をリストラしたことがきっかけだった、日常生活に夢も希望も無くなり、どうでも良くなっていた、

自殺したいと思い続けたが残される両親や姉の事を思うとそれもできない、
そこで俺は登山を始めた、低い山はかえって遭難の危険があり長時間取り残されば確実に死ぬ。

生きるのも自殺も出来ない俺は登山で事故死を偽装することにした
山で死ぬにしても
生きたくて下山しても俺としてはどちらでもいい。

どちらでもいいんだ。

6/22/2023, 3:31:25 AM

#好きな色


青い少年
ピンク色の空
オレンジの町
「独特の色使い」そんな風にみんな言うけど
僕の瞳にはそう映る。

好きな色を選んで色を重ねる
実際の世界はこんな色をしていない
それでも僕はキャンバスに描く

僕がそうあってほしいから。



Next