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#君と最後に会った日


小学生の夏
クラスでイジメられた僕は、学校から帰りに決まって、裏山近くの神社に通った。

そこには狐のお面を付けた僕と同じくらいの少年が暮らしていた。
お面の少年は僕とは違い勇気があって面白く、何でもできるように思えたけど、読み書きができなかった、少年が言うには彼は神社を離れるわけにはいかなかないそうだった、僕は読み書きを彼に教え、お面の少年は僕にイジメに負けない護身術を教えてくれた。

冬になり、いつしか僕は誰にもイジメられなくなり僕は学校でも友達を作れるようになっていた。

僕は仮面の少年にお礼を言いに行こうと神社によったが、そこには誰もいなかった、代わりに巻き物が一つ置きてあり、僕は中身を開いた。

中身は仮面少年の別れの言葉が不格好な字でつづられていた。

君と最後に会った日を思い出し何だか無償に寂しさが込み上げ僕は泣いていた。

それから仮面の少年はいないが毎週神社の掃除とお参りが僕の日課になっていた、
いつかまた再会できると僕は信じている。






6/27/2023, 8:07:32 AM