俺と彼女は、どちらかと言えばワーカーホリックのタイプで、俺は彼女の仕事をする姿も好きで、彼女もそう言ってくれる。
もちろんそれだけじゃないよ。
誰よりも俺を大切にしてくれるから、俺も大切にしているし、彼女を笑顔にしたいって思ってる。
彼女とはお互い今の仕事についたばかりの時に出会って、少しずつ格好よくなる彼女を見続けていたんだ。
だから仕事をする姿がより好きになったんだよ。
でもね。
「よし、明日の休みは同じ日だから、温泉行くよー!!」
「え!?」
俺は彼女の前に元気な声で言った。
元々は外出デートって話になっていたから、他の予定はない。
いつも以上に目を大きく開いて俺を見上げる。
「さぁ、支度して。たまにはゆっくり休もう」
そう。
仕事している時も格好いいんだけどさ、たまには息抜きしたっていいよね。
おわり
六五八、たまには
最近仕事が忙しくて疲れている彼女に何かしてあげたいって思ったんだ。
まあ、俺ができることって少ないから、今度休みを合わせて温泉でも行こうなんて考えてる。
でもそれだけじゃなくて、彼女も好きなクリームソーダを作りたいんだよなー。
なんと言っても俺たちを繋げたきっかけだしね。
クリームソーダのシロップはどれにしようかな。
いつものメロンソーダでもいいんだけど……。
俺はクリームソーダ用のシロップを覗く。
やっぱり彼女の好きな青色のシロップで作ろう。
ブルーキュラソーのシロップ、ちょっと高級なバニラアイスも用意している。
うちで作る時はさくらんぼ無し。
クリームソーダのためだけに買うわけにはいかないからね。飽きちゃうのも嫌だしさ。
お風呂も夕飯も準備してあるから、あとは彼女が帰ってくるのを待つだけ。
癒しになってくれたら良いな。
おわり
六五七、大好きな君に
ヨタヨタとおぼつかない足取りで俺の元に飛びついてくれる、可愛い俺たちの天使。
満面の笑みを向けながら受け止めると、そのまま抱き上げた。
キャッキャと喜ぶ天使。
この可愛さプライスレス。
愛しい人との初めての子供だから、可愛くて仕方がない。
愛しい娘が、この先も健やかに過ごせるよう願いを込める日だから、今は妻が娘のために色々用意してくれている。
「ぱぁ〜あ?」
「なぁに〜?」
妻に似た無垢な瞳が俺をとらえる。
ああ、愛しい天使がこの先も健やかにありますように。
おわり
六五六、ひなまつり
やらかしたー。
スマホを見ようと運転していた車を止めて、スマホを見たり、連絡したりと続けていたらエンストしてしまった。
「やばーい」
遠出とは言わないけれど、いつもの道ではないところに来てしまったから、どうしようかと途方にくれていた。
でも俺には強い味方がいる。
彼女が俺の希望だ!
俺はまたスマホを取り出して、恋人に電話をかけた。
『はい、どうしましたか?』
「助けてー!」
『はい?』
彼女は車の修理を行える仕事に就いている。だからこんな状況になったら真っ先に頼れる俺の希望だった。
「車、エンストしちゃったー!」
『あやや。じゃあ、今いる場所の住所をメールしてください』
「分かった」
『ちゃんと料金もらいますからねー』
「それはもちろん」
『じゃあ、住所お願いします。準備したらすぐに行きますねー』
「よろしく」
プツンと通話を切る。
こういう時にとても頼りになるのが彼女で。
あまり本人には言ってないけれど、彼女の仕事をしているする姿を見るのが大好きだからちょっと楽しみだ。
おわり
六五五、たった一つの希望
恋人になって、そんなに経ってないから彼女の手に触れるのも正直緊張しちゃう。
横にいる彼女を見る。
透明感のある肌、柔らかい髪の毛が揺れていて、とてもキレイだと思った。
だから余計に胸が高鳴る。
無邪気な笑顔を見ていると触れるのもためらっちゃうけど、それでも手を伸ばして彼女頬に触れて抱きしめたい。そんな気持ちが溢れ出す。
柔らかいものが指に絡められて心臓が跳ねる。
パッと彼女を見つめると、ほんのりと頬を赤らめながら微笑んだ。
困ったな。
彼女を抱きしめたいよ。
おわり
六五四、欲望