5/14/2025, 11:06:01 AM
夕日色が私の酸素の色だった。誰もいない教室が好きだった。家以外で落ち着く場所。窓から夕日色の空を見る。夜の気配が仄かにし、幾重の雲は流れ、薄い三日月と目が合った。朝昼の喧騒が嘘のよう、何処かに止まっているのだろう、蜩の儚げな鳴き声が耳朶を満たしていた。
5/13/2025, 10:38:25 AM
記憶の中はいつも海だ。果てしなく続き終わりがない。聞こえてくるさざ波は貴方の泣き声のよう。
明くる日も忘れられない、貴方と見た海を。季節は私を置き去りにし、時間は私を通り過ぎ、風でさえ私に触れない。触れてくれるのは貴方と海だけ…。
隣りに居た貴方の影が、私の影と重なり、臨む先の海は悲しげに映る。それでも、私はその海を美しいと思う。貴方がいた過去(海)がとても美しい。私はそっと手を伸ばした。微かに滲んで見える貴方の影に手を…。
5/13/2025, 8:36:05 AM
ただ君だけに一輪の花を渡した。
見えない雨に打たれながら、今日も花を渡した。
忘れない。記憶の中の君も、今の君も、明日もまた会いに行く。君の好きだった花を携えて。