愛を注いで、注いで。
注ぎに注いだら、壊れてしまった。
…いや、壊した。
あなたが俺なしじゃいられないようにひたすら甘やかす。
甘やかされることに慣れてきたら、俺があなたから離れる素振りを見せる。
これの繰り返し。
「どこにも行かないで…。」なんて。
あなたの前からいなくなるなんて億が一にもありえないのに、俺を一生懸命に求めてくれるあなたの全てがかわいそうで、可愛い。
大丈夫だよ?
俺はどこにも行かないから。
安心して?
あなたのことも一生離してやらないから。
ずっとそばにいてね?
俺の愛しい人。
231213 愛を注いで
人のためにちょこまか動いて、そのくせ自分はないがしろ。
そんなお人好しなお前から目が離せなくなって、助けてあげたくなって…気がついたら好きになっていた。
他人のために動くお前を放っておけず、どうにか背負っているものを少しでも預けてもらえないか…なんて。
とある日、
人のためにちょこまか動くのはあいもかわらず。
でも、いちばんに俺のために動いてくれるようになってしまった。
これは…、
心と心が通じ合ったと思っていいのかな…?
どんな理由にせよ、
お前のいちばんになれたなら嬉しいや。
231212 心と心
今思えば初めて会った時からそうだった。
シャイで人見知りな俺にも臆さず、
「君、かっこいいな!」なんて声をかけてきたお前。
誰に対しても素直で裏表なく接するもんだから、どんな人からも愛される。
どんな人から、も。
大きいだけじゃなく水分を含んだ目で俺を上目遣いしてくる仕草。
Tシャツの裾で汗を拭く無防備さ。
今もスキンシップ過多で話すからあいつも勘違いして顔を真っ赤にしてる。
…そう、こいつは無自覚で煽るような真似してくる。
「お前…、そういうとこだぞ。」
顔を真っ赤にしたあいつの気持ちがよくわかる俺は、何でもないフリでそう伝える。
どんな人からも、ましてや俺からも愛されてしまっているのに気づいていないんだろうな。
あーあ。
もう、どうしてくれんの、本当…。
231211 何でもないフリ
俺たちが燻っている中、後輩たちがどんどん人気になっていく焦り。
認知度が高くなってきたと思ったら、これまで明らかに見下していた人たちがあやかろうと擦り寄ってくる気持ち悪さ。
そんな酸いも甘いもともに経験してきた俺たちなら、これから先何が起こっても大丈夫だ。
苦しい時も一緒に励まし合えるのが仲間でしょ?
だから、「お前らに迷惑かけられない」なんて水臭いこと言わないで。
お前のためなら俺たちはなんだってできる。
なんだって、ね。
231210 仲間
いつまであの人の言いなりになっているのですか。
因習で雁字搦めになっているこの場所に、あなたに酷いことをしているあの人に縛られる必要がどこに?
手を繋いでここから逃げましょう。
あなたの苦しそうな、悲しそうな顔はもう見たくない。
笑っていてくれさえすればそれだけでいいのです。
ですから、どうか……。
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本当はお前の手を取ってともに逃げたかった。
でも、ここから逃げようとするだけであの人はきっとお前に酷いことをする。
それが私は耐えられない。
お前とともにいられるならば自由などいらない。
…ずっと私のそばにいてくれ。
231209 手を繋いで