遠くの鳥

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10/5/2025, 5:26:46 PM

月を見上げる
人は孤独
月と話すと
孤独は増す
増した孤独に
埋もれる人を
照らしだすのも
月だった
だから
ここにも
あそこにも
似たような僕と私
見つけた

9/26/2025, 11:06:42 AM

君を待つ間のコーヒーを一杯
ちびり、ちびり
君を待つ間の本の一頁
ぱらり、ぱらり
内容が入ってこなくて
同じ行を読み返し、読み返し
ゆっくりと時を刻む秒針
かちり、かちり
そしてコーヒーが冷めた頃
店のドアが勢いよく開いて
君がかけ込んでくる
金曜日、金曜日。

9/15/2025, 1:29:23 AM

会話が途切れそうになると
君と僕のどちらかが夜空を見上げる
そこに月があると
月が見えるね、と言い
そこに何もないと
今日は月が見えないね、と言い
三日月だねとか
かさかぶってるねとか
月の力に引っ張られて
ふたり同じ方を見つめてる

9/14/2025, 7:16:07 AM

ただただ暑い
この夏は空白
失ったものばかりが
陽炎の中で揺れている
濃い色をした花たちが
何かに耐えている
砂漠化していく街で
居場所を探し求めることに
みんな忙しい

9/9/2025, 6:12:25 AM

仲間になれなくても
独自の進化を遂げた
きみはきみになって
僕は僕になった
どちらかが悪くて
どちらかがおかしかったのかもしれない
けれど時代や環境やその他、
自分にはどうにもできない渦巻きの中を
それぞれにもがいて這い出したのだから
もうきみはきみでいいし
僕は僕でいいと思う

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