「いじめ」という言葉を聞くたびに、脳裏をよぎる、あの人の顔。
好きじゃない顔。憎らしい顔。罪悪感に苛まれる、あの顔。
私は小学生の時、いじめをしていた。
なぜか自分に付き纏ってくる、少し変わった男の子を
周りの友達と一緒になって、ばい菌呼ばわりして、悪口を行って、避けて、蹴って、蔑んで…
でも、あの子は何も言わなかった。いや、言っていたのかもしれないが、私には聞く気がなかった。
今思えば、あの子はひとりぼっちで寂しかっただけなのかもしれない。私と遊びたかっただけなのかもしれない。
成長していくうちに、自分がしていたことは「いじめ」だったのではないか、と強く自覚するようになった。
いじめは、いじめた方はすぐ忘れてしまうがいじめられた方は一生忘れない、と言う。
でも私は、あの顔を一生忘れることはできない。
マザーテレサの様な人になりたい。いつからか私は自分で目標を立てていた。
誰かを救いたい。
人に尽くして一生を終えたい。
みんなが幸せになるなら何でもしたい。
そしてこう考えることはとっても素敵なことだし、自分にも幸せが返ってくる、そう信じてやまなかった。
でも、気づいてしまった。
誰かを救っても自分は救われない。
人に尽くしても何も返ってこない。
みんなが幸せになっても自分が辛いときもある。
自分を殺せば殺すほど都合よく周りに搾取されていく。
誰かを助けようが、人に助けを乞うことができない私はずっとひとりぼっちだ。
人の気持ちを優先しすぎるがあまり、人と関わること自体が苦手になった。こんな風に誰かのせいにするような人になりたいわけじゃないのに。
誰かに良いことをすると、めぐりめぐって自分に返ってくるなんて、嘘だ。
何でこんな生き方を選んだんだろう。
何にもならないじゃないか。
でも、時々、誰かにすごく感謝されることがある。
「あなたのおかげで本当に救われたよ。ありがとう。」
こんなことで、こんな一瞬のことで、報われたと思い込んで
だめだなぁ、本当に。
あなたはすごく楽しそうな人。
いつもニコニコしている。
辛いことがあっても、なぜか生き生きしている。
「楽しい」「嬉しい」「幸せ」とよく口にする。
周りに関係なく、いつも自分を喜ばせようとする。
わたしはあなたを羨む人。
ニコニコしているけど、作り笑いが多い。
辛いことがあれば、1人で引きこもる。
ポジティブな感情を感じづらくなってきた。
周りに気を使うことだけを考えている。
いいなぁ。素敵だなぁ。そう思っていたのに、
最近はあなたを見ているとイライラする。
辛い思いをしている人もたくさんいるのに、よくそんなに騒げるよね。
幼い子供みたいにはしゃいで、楽しんで、よくそんな元気でいられるよね。
なんでわたしとあなたは違うの。
なんでわたしはあなたになれないの。
なんて身勝手な感情なのだろう。自分が嫌になり余計にイライラする。
明日は学校を休む