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12/8/2024, 12:41:10 PM

ありがとう、ごめんね

半ば強引に。都合の良い条件をチラつかせて周囲を巻き込んで、我が強い割に押しに弱い君を逃げられなくしたの。君が提示してきた条件を飲むフリをして、君が断る理由なんて何処にあるんだと追い込んだ。君はまんまと罠に嵌って、今ではもう「なんで逃げなきゃならないんだ」と檻の中に入って出てこない。信用を得て、信頼を寄せられる度に自分の中がぐちゃぐちゃになる。

ありがとう、こんな自分を信じてくれて。

ごめんね、こんなに裏切りたくて。

11/28/2024, 2:51:52 AM

愛情

愛情が何か分からない、と書くと虐待されていた過去があるように思う。あながち間違いでもないのかもしれない。幼少期、一番母親に振り向いてほしかった時期に振り向いてもらえなかった。他の子のことは大袈裟に褒めちぎるのに、自分にその称賛が向けられた覚えはない。
小学校2年生の時、図工の時間に読書感想画を描いたら何かの賞を貰って市民ホールに飾られることになった。祖父と祖母も観に来てくれて、母親と4人で市民ホールへ訪れた。他の子の作品や、書道、美術の作品等いろいろな展示がある中に自分の絵もあった。祖父母はすぐに足を止めて「あったぞ、すごいな」「上手だね」と頭を撫でて褒めてくれた。「元気いっぱいでいい」とか「色塗りがキレイ」とか。数分間は何かしらを褒めてくれた。自分は嬉しくて得意気で、きっと母親もこれなら褒めてくれると思って視線を送ったが、母親は一言「そうだね」と何に対する同意なのかも分からない言葉を放って他の子の作品を観に行ってしまった。その時初めて心の中で(この人は自分に興味が無いのだ)とハッキリ言葉にしてしまった。母親のことを"この人"とまるで赤の他人のように感じ始めたのもこの出来事からだった。
その後も母親が何か行動を起こすと自分の存在感は薄まるばかりで、この人にとって自分は要らない存在なのだと自覚させられることが多々あった。一人っ子なのも良くなかったのかもしれない。自分の思いを共感してくれる存在はいなかった。
肯定してくれることは一切無い一方で、母親は過干渉であった。話のテンポが遅めな自分が話し始める前に、先に全部喋ってしまう。何も要らないと言っているのに「あんたはこういうのが好きだから」とよく分からない玩具を買い与えられて「ありがとう」と言うしかなかった。「これが欲しい」と言ってみても「こっちの方が良くない?」と同意されることはなかった。
しかし母親の逆鱗に触れた時は全くの逆なのだ。今度は一切合切の干渉を止めてしまう。ご飯も服も何も用意はなく、目が合えば舌打ちをされ挙げ句「出ていけ」と言われる始末。何が悪いのかも理解出来ないまま自主的に家の外に出るしかなかった。まぁ一日も経てば「お母さんが悪かったね、ごめんね」と泣きながら抱き締めてくるのだから、気持ち悪いと思いこそすれ、愛情を感じ取ることはなかった。

今になって、過去の経験が自分の首を締める。君からの干渉を母親のソレと重ねてしまって、君を悪く思ってしまう。何かを決める時に君の顔色を伺いすぎて不快にさせてしまう。自分の考えを口するのがどうにも苦手で、君は待ってくれるけれど、どうにも待たせすぎて罪悪感に苛まれる。君からの優しさを素直に受け取ることが出来ない。

11/22/2024, 11:44:26 AM

夫婦

いい夫婦の日だからだね。分かるよ。自分には関係ない話だけど。まぁ結婚しようって言ってる相手がいるから完全に無関係っていうわけでもないけどさ。今のままだと結婚は死ぬまで出来ないからね。お互いに結婚理由を利害の一致って言ってて、だからこそ歩み寄りの姿勢はあるし仲は良い方だとも思う。でも結婚は出来ない。一緒には住むし、家族になる予定もある。そこまで共通認識だし。じゃあなんで結婚出来ないの。たまたま同性だっただけなのに。

11/21/2024, 12:37:52 AM

宝物

好きな物はあるし好きな生き物もいる。好きな音楽や曲、本、場所、キャラクター。好きと口にできるものはいっぱいある。更に言えば、一度好きになったものはずっと好きだ。飽きることもない。昔好きになったものは何年経っても子供っぽくても未だに好きなのだ。

それなのに宝物がない。

それを失って怒りや悲しみを抱いたり、喪失感で胸がいっぱいになるものはない。人生が変わる程の衝撃を受けるような、そんな風に自分を繋ぎ止めるものがない。例えば好きな曲を作ったアーティストが逮捕されてその曲を聞くことが出来なくなっても、アーティストに対して怒りも失望もない。子供の頃の恐竜像と現代の恐竜像が変化したって拒否反応はなくて、どっちの恐竜も好きだったりする。依存はするけれど固執はしない。物はいつか壊れるし、生命はいつか終わりゆく。ただ、そうなのかと認識するだけだ。

だから宝物がない。

君を宝物と呼べたらいいのに。もし君が離れていっても、きっと泣くのは君で自分はヘラヘラと日々を過ごすだけだろう。こうやって予防線を張って自分が傷付かないようにするぐらいには大事なのに。

宝物は要らない。

11/15/2024, 12:50:41 AM

秋風

連絡先を交換したのが今年の4月末、実質5月からの付き合いだ。半年が経った。最初は互いに遠慮があったし、モラルの擦り合せもとい価値観の相違点を探っていた。出身地が違うだけで多少の言葉の壁がある。隣同士の県ではあるが、イントネーションが全く違うので同じ言葉なのに聞き取れなかったりする。文化の差もある。育った環境も違う。山と平地。片田舎と田舎。末っ子と一人っ子。2歳差。共通点と言えばアレルギーの多さと躁鬱病ぐらいのもだ。映画の趣味も似ているか。先日はR15+(グロ)をツッコミを入れつつ笑いながら鑑賞したから、そういう所の感性は近いのかもしれない。
この半年間で結構な数のイベントに参加したし、県外にも旅行に行った。たぶんフェーズが移行したのだ。「この人は何が嫌なんだろう」といった探りの段階を抜けて、今はきっと「どこまでなら許されるだろうか」という試しの段階なのだ。君は不機嫌を隠さなくなったし、怒りを表面化するようになった。自分は軽〜中度の幼児退行が度々出ているのだと思う。君に言われるからね、「5歳の姪っ子と完全に一緒だ」って。どちらも悪いことじゃない。互いに受け止められるかどうかだけだ。
「精神科に行ってきな、あなた自身にダメージが溜まるから」と君は言う。その内耐えられなくなるのは君の方なんだろうな。来年辺りに引っ越して一緒に住むという話になっているけれど、どうか秋風が吹く前に。

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