毎日夜通し電話していたい
毎日飲み屋で酔いつぶれたい
二度と飲まねえって誓ったその舌で
明日も美味しんもんが食べたい
街中のネオンはまだ俺には厳しくて
あー四角い証明書さえあれば好きに出歩けるのに
カラオケオールが出来るようになっただけ大人か
駅の裏手のコンビニでチューハイ買って
隣の棚に友達のオススメ まだ度数高いな
毎日ロックバンドの箱行きたい
毎日好きな子とどっか出かけてたい
行先の選択肢は多くないからさ
それなりに楽しめるとこに行こうぜ
雨が降っても台風来ても 人混みの中に居たい
寂しい改札なんて通りたくない
終電逃したらドラマチックな展開が
なんて2.35:1の中の話だよな
特に特技が無いことが俺の特技なんだ
Spotifyのお気に入りにCreepy Nuts
誰でもいいから俺と朝まで共に過ごしてくれ
俺が身につけた才能はせいぜい
先輩からのテストのツテと
山手線どの駅でどんな奴が降りるか分かること
毎日夜通し電話していたい
毎日飲み屋で酔いつぶれたい
二度と恋しねえって誓ったその口で
明日もあの子に話しかけたい
街中のネオンはまだ俺には厳しくて
目が痛くなるようなドン・キホーテの看板と
ごった返す人の波 治安悪いけど心地いいな
明日は駅で
「今なに聞いてますか?」って
インタビューそろそろ受けれるかな
明日は駅前で
どんな人が路上ライブやってるかな
明日もどこか楽しいことに生きていたい
君が居なくなって、誰もいない水の中で考えてた。もう水槽の底に背中が着いていた。溺れようと思っても、溺れないんだ。
いつも水の底から引き上げるのは君で、また水に落とすのも君だった。でも俺は立ってしまった。自分一人で。また水に落とされた時、今度こそしんじゃうんじゃないかと思ったのに、俺は次の瞬間ぽつんと膝丈程度の水の水槽に立っているだけだった。君がどこへ行ったのかも、なにを考えていたのかも、わかるような気がするけど、解りたくない。だって、そんなちっぽけなものだったの?そう言いたくなるから。
でも、きっと溺れなくなった俺も同じなんだ。
簡単に立ってなにも思わなかった俺も同じ。どうしてこうなったのか、分からない。
誰か教えて欲しい。
好きな映画の話とか
来年からはどこに住むのかとか
会える距離だねって言われて
なんとなく返す23時
別に嫌いになってもいいけど
いややっぱ嫌いにならないで
頑張って誘ったわたしがバカみたいじゃん
惚れるとか 好きとか 単純な 言葉を簡単に吐かないで
寂しいも 嬉しいも 欲しいの 案外似た者同士かもね
わたしの返信で困ってる 君を見るのが楽しみなの
意識してない所で 悶えてる姿も好きなの
魔性の女とか言われるけど 君の方が大概じゃん
君って案外わたしがどれだけ君を好きか知らないよね
分かりやすい君が好き
笑顔の君がなによりも好き
優しい所も好き
気遣いできる君が好き
君オススメの映画を 引っ越し先で一緒に観たいな
なんとなくじゃ物足りない 本心が言いたい
雨って家にいることを許されてる感じがして好き
それは、ちっちゃな宝石だった。暗闇のなかで、ただひとつ黄色にピカピカ光る宝石。それさえ見つければ、幸せになれるんじゃないかと思った。
「ん……」ぼんやりと部屋の景色が見えてくる。まだぼうっとしていたいなと思うのに、手探りにスマホを探してしまう。後ろ手に枕の下から引っ張り出して、寝返って両手でスマホを掴みながら画面をのぞき込む。SNSの返信…は、まだ来てないか。Instagram、Twitter、discord…指を滑らせて開いていく。何時間も前に来ていたら大変だ。どれにも通知が来ていないことを知ると、ため息をついた。できるだけ最小限の動きで体を捻ってベッドから降り、スリッパを履く。リビングに向かうその間も、SNSを行ったり来たり。昨日は遅くまで電話したんだっけ。見ればチャット欄に記録が残っていた。3時間半もやってたのか……。最近、もっぱら色々な人と繋がって、チャットをしたり電話をしたりしている。
でも……
「なんで寂しいって思っちゃうんだろ」
結局、起きてみればそこには自分しか居ないんじゃないかとか、スマホを切ってしまえば1人なんじゃないかとか、そういうことを考えてしまう。
麦茶をグラスに注ぎながら、光る宝石のことをぼんやりと思い出す。とにかく大勢と、誰かと繋がれば、宝石が見つかるんじゃないかと思った。けど……見えるのは何もない暗闇だけ。
ピコン♪
「あっ、通知………あはは、俺のリプに笑ってる」
俺の笑い声が、一人ぼっちのリビングに響いた。