:飛べない翼
多分、そんなこと、どうでもいいんだと思う。
飛べようが飛べまいが、翼があろうがなかろうが。
あ、そうだわ きっとそうよ
夢に生きなきゃ。幻、夢見て、現実ほどほど。
あたしは、あたし。夢を見てる。好きだから。
貴方からすれば、何が本当で何が嘘かなんて
見分けられない 分かってる その上で好きよ
全部、幻だから、全部、わたし
飛べない翼もアイデンティティ 僕の屍踏み越えて
痛くてグロくて恥ずかしく可愛くなれる
普通みたい、夢みたい。
飛べないなら這いつくばって 可愛いあなた
:柔らかい雨
じゃあそれでいいんじゃないですか。
やる気ないならやらなかったらいいんじゃないですか。
「でもやらなきゃ」なんてやる気ないのに何言ってるんですか。
「やる気の出し方を知りたい」と知ったところでやらないのに、何頑張ってますよ風で過ごしたいんですか。
潔く認めりゃいいんじゃないですか。
雨だって勢い良く降ってくれれば窓に雨跡は残らないのに、中途半端ゆるく柔らかい雨が降るから雨跡がポツポツ大量見えて、晴れたときにガッカリする。
中途半端ぬるく優しく身を守ってるから心に斑点が大量にできてるんじゃないですか。
やめれば?「そんな簡単な問題じゃない」って、簡単じゃないと思いこんでるだけじゃないですか。
「それとこれとは話が別」なんて自分が別にしてるだけじゃないですか。
徹底的に卑屈になって、徹底的に開き直って、徹底的に苦しんで、徹底的にひねくれて、どこまでも極めればいいんじゃないですか。
貴方ポジティブになれないんですから。何を「前を向かなきゃ」「ポジティブシンキングしないと」「明るくなれたら」なんて思ってるんですか。
無駄な足掻きとまでは言わないけれど、それで幸せになれた試しがありましたか?
やる気ないのに「やろうとはしてる」というパフォーマンス。「でもどうしてもできない」と言う。
やる気ないならできなくて当然じゃないか。なのにやろうとして何やってるんですか。本当はするつもりもないのに「するつもりはある!」なんて言い張って。
そうしておかないと怒られてしまうからね。
怒られたくはないし、頑張ってますよ風を崩しちゃうといよいよだ、なんて思ってしまうものですからね。
既にその「いよいよ」を越してるんですから、とことんまでいってしまえばいいんですよ。お前はどうせ救われないのだから、お前はどうせ人生を恨むのだから、お前はどうせ自分含め人を恨むのだから、お前はどうせ何もできやしないのだから、お前はどうせショックを受けるのだから、お前はどうせ絶望するのだから。
遅いか早いかの違いですよ。
さっさと憎んでしまえばいいんじゃないか?
中途半端柔らかい雨を浴びても風邪は引けない。
いっそ土砂降りの中へ飛び込めば風邪を引けますよ。
責任なんて誰もとってくれやしませんし、自分の人生なんて誰も保証してくれない。厳しいですか?
貴方も同じですよ。そしてもちろんわたくしも。
:鏡の中の自分
ちゃんと自分だ。笑いかけてきたり、罵ってきたりしない。鏡の中にただの私がいる。ようやく普通になれたんだ。正常な判断ができてる気がする。良かった。
真面目になろうとか、普通になろうとか、一般的思考とか、そういうのを目指すだけ歪んでいくなら、いっそ開き直っておかしい自分でいるほうがよっぽどまともになれる。よっぽど普通だ。
私の普通、私のルール、私の基準。全部私には私なりの行動原理がある。矛盾してるだとか、理屈が通ってないだとか、暴論だとか、感情的だとか言われたって、なんだ、全然構わないじゃないか。私には私なりの何かがあるだけ、それに従って動いてるだけ。何もおかしくないじゃないか。漸く普通の自分になれた。
何だ、なんのズレもないじゃないか。何を以ておかしいなんて思い込んでいたんだろう。私何もおかしくない。普通じゃないか、あぁ良かった、本当に良かった。
鏡の中の自分は自分と同じことしかしない。良かった。勝手に動き出したりなんてしない。私が口を動かさない限り鏡の中の自分の口は動かないし、手を振らない限り鏡の中の自分は手を振らないし、何もしないなら何もしてこない。どうしてこんな当たり前のことに気づかなかったんだろう。
ああ良かった。ただの私がいる。
:永遠に
これからどうしよう。どうなるのかな。死んじゃうのかな。分からない。後悔ばかり?後悔はない。でも身辺整理なんてできるのかな。せっかく集めた物を全部捨てられるの?プレゼントで貰った物もゴミ袋に入れてしまえるの?ああ恐ろしい!恐ろしい、悲しい、寂しい、切ない。
少しの嬉しさがスパイス痺れる隠し味。
せんせいにはなんて言うの?「もう回復したと思うので次回の予約はとりません」って?なんてワクワクするんだろう!最低だ!他人の心と人生をなんだと思っているんだ!本当にな!だからこそじゃないか!
どうか私の心をぶち抜いて。
嗚呼神様 私の神様 なんて美しい御方。どうか手を引いて、どうか背中をそっと押して。
神様なんていないよ。けどいるの、あたしの神様はいるの。あの慈しむ瞳と体温のないぬくもりと空気が頬をなでたの、ああもう何を言っているのかも分からない!でも、そう、貴方は神様だけど、なんの力もない。私の手を握ることもできないし、背中に触れることすら。
高台から突き落とされる人を初めて見たときの吐き気を今でも思い出せる。あの気味悪さ、全身がじんわり痺れたような感覚、食事が喉を通らない、あの暑苦しい日を。
ステップを踏めばキラキラ金平糖が飛び出す。クルクル回ればふわふわ綿あめが生まれる。お財布の中からロリポップを取り出して、そちらのキャンディと交換してくださいな。手を叩けばチューインガムがパチンパチンと弾ける。ベトベトになった全身をジュースで洗って、チョコレートの湯舟に浸かって、シフォンケーキのベッドで眠る。
嗚呼神様! あたし、こんなに幸せ!
ずっとずっと夢を見させて!永遠に!
こんなに簡単に幸せになれるなら、体の1kgくらい捨ててしまって構わないわ。さあ早く脳みそを、早く!!
許してほしいの、間違ったことに手を付けたこと。赦されないことを許されてしまいたい、この気持ちがどれほど甘酸っぱくて美味しいさくらんぼか知らないの?食べてみて、どれほどでも飲み込んで、毒ある種ごと2kg以上口にして。腹を壊してしまってよ、吐き気に身を任せてしまってよ。
味わってみせて。大丈夫!きっと幸せになれるから、さあベロ出して。
どうなっちゃうの?生きていけないよ、もう無理なんだ、耐えられない、早く、目がチカチカする、時計の針が全く進まない、なんで、なんでこんなに永遠に感じるの、どうして針がこんなに遅いの。
気がついたら数年経っちゃってた。永遠のように感じていたのに、私には空白の数年が存在している。きっと異世界にでも行っていたのよ。だってなんだか楽しかった感覚が残ってるもん。空を飛んでいたような気もするし、虹を滑ったりもした気がする!あの空に浮かぶ雲は、わあための味じゃなくて、あれ、食パンの味がしたの!青い世界に包まれて、嗚呼あたし、幸せだったなあ。
神様も天使様もいなくて、喋りかけてくれる存在は誰一人いなくて、あ、それは嘘かも。でもあたしはずっと動いているのかも分からない鈍い足を動かしながら、ふらふら眩しい世界を歩いていたの。何もかもがグルグル回りだしてジェットコースターに乗ったみたいになったり、グーーーーっと世界が一点に吸い込まれていったり、あるときはビカビカ!って色が突然輝きだしたり、かと思えば、ただ、何かも分からない煙をボーッと眺めたり、重力にあまりにも引っ張られて体が鉛みたいに重くてずっと床と一体化してたり。あたしの焼死体がやっほ〜って喋りかけてきて、嬉しくなって抱きしめたら、ボロボロになっちゃって、体は煤だらけになっちゃった。臭い?どんなだったろう、臭かったような気もするし、焼鳥のような匂いがした気もするし、酸っぱかったのかな。
誰かがマフラーを巻いてくれたような気もする。クリスマスに貰ったかわいいチェック模様のマフラー。きっと誰かが私を愛してくれたんだわ。首を絞めるならもっと違うロープにするはずでしょう?大事なマフラーで首を絞めようだなんて、そんな悪魔いるはずないよ!
天使も悪魔もいなくて、現実はカビと埃と下水の臭いがしているだけで、ああ、冷蔵庫にレモンはあったかな。レモンって、常温だっけ。
許してほしい。もう生きていけない。どうして?どうしても。もし生きてしまったらどうしたらいい?私はまた慰めてもらえばいいの?神様みたいな存在に?孤独の成れの果てに?存在もしない存在に宥められて?
永遠にこのまま。努力でどうとでもなる?努力すれば、あたしは、あたしは、あたしは手っ取り早く。手っ取り早さなんて求めちゃだめ?コツコツ積み重ね、延々と?そんなことする気、ないんだけど。じゃあどうするの?どうにも。
ああ!思い出した!ピンク色のオーニングテントがあって、扉はちょっと古ぼけてたけど……でも中にはあたしよりも背の高いショーケースがズラっと並んでて、どこを見てもかわいいケーキばっかり!ケーキ、ケーキ、ケーキケーキケーキ!!ああずっっと食べたかったの!ホイップクリームが紫だったり、水色だったり、赤かったり、オレンジだったり、カラフル!カップケーキもおいてあったよ。これは黄緑色!どれも美味しそう!
ゴミまとめなくちゃ。
足りないんです、もっとほしい。もっと幸せになりたい、だからもっとその優しい愛の塊が欲しい。私を連れて行って、体重の1キロくらいなくなって構わない、どうか私の脳をぶち抜いて。
︰行かないで
いい感じの話とかなんも書けねぇし読めねぇ。
何が言いたいのかさっぱり分からん。心動かされる刺激的な何かもない。いよいよ感性が死んできた。
今までみたいなやつもう書けねぇしなあ。
不安定な精神に頼りきって書いてきたもんで、随分クリアな思考ができるようになってからはこう、深く暗いところを漂うような話の良さがいまいち分からなくなってきた。なんだ、クリアにはなったが、何かこう、不健康なクリア故に、攻撃性ばかり増しているような。
悩みがあるなら解決すればいい。解決できないなら諦めればいい。諦めきれないなら悩みが少しでも解消する方法を探せばいい。立ち止まってウジウジしてたって何もないだろう。卑屈になっていじけている暇を使って順序立てて攻略していけばいい。
何を勝手に決めつけて出来ない言い訳ばかり探しているのだ。出来ない言い訳ばかりをしている理由すらも探っていけばいずれ「何故か」に辿り着く。根本が見つけられればそれに対処すればいいだけ。対処できないなら何故対処できないのか考え、それの対策をまた考えるだけだ。考えたら実践あるのみ。考えるばかりで行動に移さないからグルグル回ることになるのだ。
腹括れないなら遠回りしてもいい、言えないなら言えるようになるまで気長に待てばいい。人生は短いから早くしろなんていうが、今その時ではないのにやって自滅する方がよっぽど無駄だ。1年でも3年でも5年でも10年でも長く待つほうがいい。
どの道ウジウジ人間はウジウジが解消されなきゃ暫くずっとそんなことばかりして問題解決は出来ないわ悪化させるわで碌でもない。
碌でもない、碌でもない、価値観や考え方ってのは、本当に変えられるのか?
誰かに教え込まされた何かがあるなら無理矢理にでも引っこ抜きましょう。
夢見ていたものがドロドロ溶け始めてベタベタになってきたんだ。人の心の儚さ?脆さ?美しさ?何が美学だって?人との繋がりがロマンスだって?感傷的ってやつだろ。さっぱり分からん。
人が消え死に苦しむ話ってのはそんなに心引っ張られるのか。他人が死んでもどうでもいいのに?というかなんで殺してしまう。それ以外インパクトを出せないからか?誰かを傷つけないと自己表現できない?
「できない言い訳を探している」
左様でございますか。
理解した風で言っているけど根本的なところ何も分かっていない。他力本願して自分の首絞めて最後の最後まで自責風他責って。一体何が「分かってる」なんだろう。
素直に「分からない」「怖い」「不安」「やめてほしい」とだけ言って、聞き入れてもらえたらハッピーなのか、って、なんだ?なんで相手が主体なんだ?自分が言いたいから言うんだろう。聞き入れてもらえないと分かっているなら最初から吐き捨て前提で言えばいいじゃないか。怖いって?なら今は黙っていろ。言えるようになるまで一旦箱にしまっておきましょう。
置いて行かないで、とは。元来お前は最初からそんな人間だったではないか。自分では共感能力が高いだのと自負していた割には人に寄り添うのがストレスで?人の気持ちを汲み取るのもストレスで、イライラしてきて「まず共感」なんでできやしないし、基本的に事実優先で、慰めてほしいなら最初から「慰めてくれ」「心配してくれ」と言えやと思っていて、そのくせ自分は人に察してちゃんとは、実に傲慢で自己中心的な人間だろう?いやはやどこが繊細なんだ。ああ!自己防衛に必死という点において繊細かね?
人の気持ちが分かるというなら、本当に人に寄り添えるというなら、自分が優しい人間だというなら、お前、なんで今そんななんだ?
大丈夫、お前は元からそんな奴だよ。今更それが悪化しようが好転しようが大して変わらない。心配いらない。君は実に優れた社会不適合者だ。幸せにはならないから安心して不幸を全うし謳歌すればいい。素敵な人生だろうが素敵じゃない人生だろうか、そんなこと気にするより大事なのは明日の食い物さ。人生の満足度を考えたってそれで腹は膨れないよ。
別に、腹が膨れてほしいとも思わないけど。
本当に?なら今頃とっくに餓死しているはずだろうに。
ぐ〜たら生きて気ままにのらりくらりヘラヘラ笑ってやってくのが一番だな。