よあけ。

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4/13/2024, 8:02:44 PM

:快晴

昏迷、青心地

どうしようもないほど青い。
それはきっと僕に不釣り合いで、私にピッタリなもの。
俺はどこで生きていて、この先には誰がいるのか。

並べた瓶を蹴ってはまた並べて。
器が同じならそれらすべて自身と言えるだろうか。

迷いがあろうとなかろうと、並べた瓶は歪で不安定だ。
いつか勝手に転げて割れる。

ベッタリとした青が拭えない。 ああ、青い。
今日は雲一つない晴れだろうか。
快晴はもう無くなったと聞いた。
では機械はこの空をなんと呼ぶのだろうか。

夏に憧れている。 まぶしい。

記憶は良くないものばかりだ。
苛立ち、不満、憎悪、悲しみ、恐怖。
そんなものをこの部屋は抱えている。
手の施しようがないほどに。

想像上に“ある”のなら
それは存在していると言えるか。

値するだろうか。 誰だ? 何だ。

きっと何でもいいはずだ。
当ても道筋も探すべき答えも
もはや無いに等しい。

あるべき姿なんて初めから空想だったんじゃないか。
はじめから存在していなかった。

想像上に“ある”のなら、なら、 なら それは

切り取られた世界ですらこんなにも広く
こんなにも美しいと感じるのに。

切り取った世界だからだ。
主観でしかない。 記憶の断片

きっとそれほど、甘くはないだろう。

寝そべって青を眺めて
俯いて瓶を並べて
代替宇宙が存在しているだけて。

だからきっとそっちは
どれかの“自分”の思案に囚われている頃だろう。

切り取った世界なんてただそれだけのもの。
されどそれなりに美しく感じてしまうほどには、ああ、青い。

4/11/2024, 3:38:16 AM

:春爛漫

春は嫌いだ。「嫌い」なんて簡単な言葉でまとめてしまって。ごめんなさい、辞書を引く気力もないの。

春は感触が不安定で。あら、僕の場合年中そうかな。

窓を開ければ春の穏やかで優しい香りがするのを知っている。外は彩りが増えて簡単に明るい世界へ飛び込めると知っている。知っている、もちろん。

こうやって閉め切られ臭いのこもった部屋でうずくまるのが性に合っているわ。
ごめんなさい、そういうことにしておいてちょうだい。

みんなはこれからお花見?とっても素敵ね。花に見とれて足を踏み外したり、腹の底を冷やさないようにね。

4/7/2024, 7:33:38 PM

:沈む夕日

青信号点滅の先 横断歩道上で立ち止まている

眼球を左右往復させてみて 薄ら笑い

遮断器の下がった先 線路上虚ろな目をしている

真っ赤に変わる頃 揺らいで弾ける

辺りに響くCとF 沈む夕日に溶けて

怪しいにおい 煙となって天井へ

彼岸花並ぶ道なり 橙に照らされた白線

「いらっしゃい」 踏み出す一歩 沈む夕日に惑わされ

4/1/2024, 8:43:39 AM

:幸せに

人生の終点について考えている。
人生の終点を探している。
あなたの場合は途中下車かもしれないが。
どうぞ、どうか、お幸せに。

3/29/2024, 7:08:01 PM

:ハッピーエンド

僕が思うハッピーエンドは濃厚なビターチョコレートケーキの味をしているんだ。

ジュッと溶けてトロっと広がる重めの甘さ、チョコケーキ。ちょっとピリっとビターなくらいが美味しいのさ。

だからさ、僕、ぜひ君にも食べてもらいたいんだ。

まあるい机に純白のテーブルクロスを敷いて、輝く金のフォークを用意して、花柄のティーカップに君が好きな紅茶も淹れて、ちゃんと御膳立てするからね。

だから食べてほしい。どうか僕と一緒に。

後味が悪くて、不気味で、胸糞悪い、贅沢な味。
濃厚なビターチョコレートケーキ。

苦くピリつく毒入りだって咀嚼して。飲み込んで。

濃厚なビターチョコレートケーキ。メリーバッドエンドの素敵なお味。僕の求める幸せな終わり。

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