よあけ。

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6/9/2023, 11:35:27 AM

お題︰朝日の温もり

ふんふん、鼻歌。
こぽこぽ、心地。
ふわり、ふわり、朝日の温もり。
鳥のたかね、しおの匂い、水の音。
ふわり、ふわり、彼女の微笑み。

6/7/2023, 4:25:53 PM

お題︰世界の終わりに君と

君と花を飲みたい。
君と星を食べたい。
世界の終わりに君とワルツを。
有り得ない話じゃないよ。
身近なもので洒落込もうよ。
靴を履いて手を取って
音楽はスマホから
金平糖持って外へ出て
花を摘んで水に浸して
世界の終わり、君とそのまま。
いつもと同じように。

6/4/2023, 11:56:06 AM

お題︰狭い部屋

 ソファでは決まって寝たふりをする。とろんとした微睡を彷徨っていたいから。あなたの気配がするから。狭い部屋、二人分の呼吸が聞こえる。あなたは僕に毛布をかけて近づいて、缶ビール片手左右に揺らしながら、そっと慈しむのでしょう。囁くような鼻歌が木霊するこの部屋は、きっとまだ淡いカーテンを透かした光が揺らめいていて、僕の頭の上で3拍子を刻むあなたは眩しそうに目を細めている。その温もりはたいそう幸せそうで、けれど確かな寂しさばかりが重なり響き合う。互いに気づかないふりをするから、ぶつかり合うのが怖いから、不器用な優しさとやらがつっかかっている。それはきっと、いつでも物分りのいい人として目を覚ましているから。分かっている。それでも尚気づかないふりをしている。
「おはようございます」
「ああ、おはよう」
 何もなかった。さも当然のように離れていく。知っているのに。狭い部屋で二人、確かに息をしている。狭く薄明るい部屋が心みたいだと思った。

6/3/2023, 10:25:51 AM

お題︰失恋

こんなにもダメ人間だと思っていなかった。努力はしないし頑張ることすら放棄してるし。嫌なことは先延ばしという楽な道へ逃げて首を絞めてるし。ダメな自分に酔っ払ってグデグデな人生を歩んでいるし。それすら「いいじゃないかこれも人生」とぬるま湯に浸かり続けているし。そのくせ「このままじゃだめだ」と焦燥感だけ一丁前に抱えてて厄介だし。何もしないくせに。「駄目人間なんだクズ中のクズなんだ」と自責することにまた酔ってる。こんなにもダメ人間だと思っていなかった。
星が綺麗だと目を輝かせたのも、音楽に涙を流したのも、雫をつけた木を写真に残したのも、お菓子を作ってプレゼントしたのも、夏の暁に胸を焼いたのも、コツコツ本を読んでいたのも、きらきら輝く積雪を見て袖を引っ張ったのも、誰かを大切に思って優しい気持ちになったのも、そのどれもが素敵な感性だったのに。素敵なものを持っていたのに。そのどれもが私だったのに。素敵な感性だったのに。失恋した。こんなにもダメ人間だと思っていなかった。わたしだった。

6/2/2023, 10:21:57 AM

お題︰正直

親愛なる■■。白状します。ずっと楽しかった。ずっとずっと。悲しみに暮れた一日より、憎悪に費やしたあの時間より、あなたと過ごせたひとときのほうがずっと。なぜでしょうね。こんなにも苦しいのに、計画も全て台無しにされて、僕の人生すべてを否定されて。それがこんなにも、嬉しかったなんて。白状します。きっとずっと記憶の中であなたに手を取られていました。ずっとあなたに正してもらうことを望んでいました。あなたに手紙を送って、僕を信じてくれて、あなたが手を取ってくれて、本当に良かった。

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