理想郷
なんの裏切りもなく
交わされた約束が守られ
みんなが笑顔でいることを
許されている世界
誰にでも光は降り注ぎ
誰にでもやさしく
誰にでも等しい
涙は皆無な居心地
私は私のままでいい
あなたはあなたのままでいい
確かめ合う必要もなく
認め合う必要もない
形なきものの存在を
交わし育て合う心の都
手を伸ばせば届く
身近に感じる思いの都
懐かしく思うこと
休日の午後
穏やかな時間
やらなきゃと
思っていた
部屋の片付け
いろんなものを
見つけては
手が止まり
思い出に耽る
あの人の手紙
クセのある文字
いつかわかる時が
必ず来るから
口ぐせと共に
あの日々の匂い
嘘っぽく見えて
今になってわかる
やさしい言葉
いつかわかる時って
今なのかな
別れ際に話した
いつか思い出す話
そういう為の
手紙でもあったのね
今になってわかる
懐かしく思える事実
あの時の言葉ひとつ
今へつなげた思いひとつ
休日の午後
穏やかな時間
懐かしく出会う
忘れてた感情と
気持ちの後付け
もう一つの物語
もっとこうしていれば
そこから始まる
もう一つの物語
選ばなかった未来
選べなかった過去
今という道の変化を描く
もしもと思う時がある
振り返る過去には
たくさんの分れ道
いろんな選択を経て
今ここにいる
正しさなんて
分からないから
思い描いてみる
もう一つの物語は
いつも幸せに届く
選んでる今に
ないものがある
光を掴もうと
選んできたはずなのに
なぜかここに
光は届かない
まだまだ歩かないと
辿り着けないのかな
想像と現実の狭間
辿り着けないところに
生きる意味を見いだすのか
選ばなかった選択に
間違いを認められないのか
今も気持ちは不安定
いつものことだから
不安定の安定感だけが
この道の正しさを示す
暗がりの中で
不浄の闇に問う
心の表しよう
光を追い求め
答えを問いただし
見えないものを
見ようとしている
本当ってなに
心の本物は誰が決める
わかっているようで
わからせているような
心の内側にある迷い
誰にも見せられない
そう言いながら
自分も見たくて
見たくない紛い物
一番ダメなとこを見る
そんな心境でも
変われないことを
知っているから
不浄の闇に問う
心の表しよう
答えを追い求め
真実を問いただし
見えない思いを
見ているようにする
不浄の闇に彷徨うことで
逃げないように見せて
実は逃げ道を探してる
暗がりの中で
本当の迷いを知る
紅茶の香り
琥珀色にも似た
あの日の記憶
ふと呼び戻す
紅茶の香り
コーヒーは苦手と
いつも紅茶を飲んでいた
あの日々の会話
今でも覚えている
くだらないことで笑い
冗談みたいな本気で
君と交わした会話に
この香りはいつも傍にいた
今はひとり
この香りが呼び起こす
あの時のときめき
何もかもが楽しかった
時はあっという間に
過ぎていき
ふとした瞬間に
ハッとさせる
何が変わったのかな
変えられたのかな
そういえば
コーヒーが飲めるようになった
けど今日は
たまたま紅茶にしたの
久しぶりのこの香りが
ひとり同窓会の案内状
元気でやってますか?
私はようやく
笑って思い出せるように
なりましたよ
ふ~と深呼吸した
秋のひとりごと