あなただけが知っているあなた
私だけが知っている私
あなただけが知っている私
私だけが知っているあなた
あなただけが知らないあなた
私だけが知らない私
あなただけが知らない私
私だけが知らないあなた
その全てがあなたで
その全てが私
情に脆くて人のために動けて
だけど時々おっちょこちょいで
頑張っているのに空回りして凹んで
繊細だけど妙に負けず嫌いで
片付けは苦手だけど
作る料理は美味しくて
器用とは言えないけど
頑張り屋な君
要領は悪くないけど
人に弱みを見せるのが苦手で
一定の距離を置いた付き合いをしてしまう俺
そんな俺の懐に
いともあっさりと入ってきてしまう君
正直俺は綺麗好きだし料理も出来る
人のために自分が凹むほど
入り込むこともない俺は
人のために自分が傷つく君を見て
イライラしてしまうこともある
だけどなぜかそんな君を放って置けないんだ
それはきっと
まっすぐな君の笑顔が好きだから
趣味も好みも違う2人
お互い手を取りあっていつまでも仲良く
なんておとぎ話のようなことは難しいけど
喧嘩しても仲直りしながら過ごしていこう
これからもずっと···
「久しぶり」
突然送られてきたLINE
差出人を見れば数年振りに見る名前
最後にやり取りしたのは
卒業して少し経ってから
理由はなんだったっけ…
思い出せないくらい
今となってはほんの些細な出来事
お互いに意地を張って距離を置いた
何度も謝ろうとトークを開いては閉じて
仕事の忙しさを理由に時が流れた
このLINEのきっかけは
クラスメイトの結婚式
「久しぶり!元気にしてた?」
何事もなかったかのように返信する
「元気だよ!招待状見た?」
一瞬で時間が戻ったかのよう
あの時の景色が目に浮かぶ
あの2人が結婚か…
招待状は2人の幸せだけじゃなく
私たちの新たな繋がりを届けてくれた
あなたの寝顔をそっと見つめ
幸せを噛み締める
優しく見つめるその瞳も
愛を囁くその唇も
私を包み込んでくれるその腕も
安心出来るその香りも
全部全部大好きで
こんな時間がいつまでも続くようにと
祈りながら目を閉じた
目を覚ますと
隣にあなたがいない現実
どれだけ時が流れても
まだ私はあなたの幻を追って
ここから動けないでいる
いつも少しだけ足りない睡眠
手離しそうにそうになる意識を
無理矢理目覚めさせる
眉間にシワ
開ききらない瞼
緩んだ口元
この時の顔が一番人に見せられない
目覚めきらない足元は少し不安定
顔を洗ってスキンケアをする頃に
ようやく意識がハッキリしてくる
朝ごはんを簡単に済ませ
身支度を整えて
鏡の前でヘアメイクをチェックする
青空を見上げて
このまま何処かへ
行ってしまいたくなる衝動を抑え
今日も変わりばえない日常に溶け込む日々