きらめき
(お題、何にも思いつかないから全然違う話)
歩くのが好きです。
てくてく てくてく歩きます。
音楽聴きながら、猫追いかけたり、逃げられたり。立ち止まって水分補給したり。
歩いてると頭から離れなかった嫌な事が少しづつ消化されて、ちょーどいいのです。
あんな事やこんな事を思い出して、踏んづけながら歩くのもいいけれど、私は風に乗せて流す感じ。
(聞こえはいいけど、汗だくですよ)
いつものルートを変えてみると、知らないお店がオープンしてたり、前からあったコンビニが違うお店に変わってたり。
いつも通ってる道なのに、車に乗ってる時は気付けなかったことが思いの外あって驚きます。
嫌なことって、人それぞれ。他人から受ける嫌なこととか、変われない自分に対して抱く不甲斐なさとか。
でもそれは、みーんな同じです。
人は変わらない、だから自分が変わろうって思ったけど、自分が変わるのが一番大変だと気づいてしまった私。
バグが多すぎて!
修正が追いつかない。
ビックかヨドバシ行けば直してもらえるでしょうか?
「旧型過ぎて無理ッスねー、部品もうないッスよー」
とか言われたらどうしよう。
嫌なことが増えただけじゃないか。
やっぱり嫌なことは、こちらで文章にして読み手の方へ当たり散らす。
これが一番です。
お互いさまってことで、許してくださいね。
え?違うって?
(汗)end
些細なことでも
目映いヘッドライトが横顔を照らす。
「久しぶりだね」あなたが言う。
「2ヶ月くらい前?前に会ったのって」
よそ見しながら、笑って返す。
すぐ気づいた。私ではない誰かが乗った感じ。
見てないふりした、見たことのないライター。
窓を開け、燻らす煙。
いつものように文句を言う私。
「匂いがつくから嫌よ。やめるって言ったのに」
「言ったっけ?」
「嘘つきね」
いつもの軽口。
いつもの会話。
「コーヒー飲みたいな、買ってきてくれる?」
車を降りるあなた。
コンソールボックスの奥底に眠る、見覚えのあるライター。付き合って一年の記念日に私があげたものだ。
(返してもらうわね)
戻ることのない助手席に強めに残す香り。
些細なことでもかまわない。
いつも私がここにいたこと、知らない誰かに気づかせたかった。
「今日は歩いて帰ろうかな」
途中で降ろしてもらい、いつものように別れた。
湿った生温い空気の中、星のない夜空を見上げ、バッグから取り出した煙草に火をつけ、深く吸い込んだ。
「嘘はだめね」
メロドラマ♪end
心の灯火
信じられない。
まだ暑い。
“残暑”とか言うつもりですか?誰が「残っていい」って言いました?
あれだけ苦しめられた暑い日々。突如やって来た台風によって、過ごしやすくなったと思ったのに。(被害に遭われた方ほんとごめんなさい)
ピークは過ぎた暑さだから耐えられますけど、なんか言わずにいられない。今日が暑さへの最後の愚痴だと思って、聞いてやってくださいね。
日が落ちて涼しくなってから、歩いてジムへ行くんですけど、行き帰りの楽しみは、好きな音楽を聴くことと、突然の野良猫との遭遇。
これはテンション爆上げです。出会った時の喜びをひた隠して、逃げられないようにそーーっと近づく。
日もとうに暮れた路地裏にて、猫の鳴き真似をして、必死で「私も野良、あなたの仲間よ」アピールをする中年のおばさん。
怖いですねぇ。
でも止められない。
止めてしまうと、私の心の灯火が消えてしまうから。嘘、言い過ぎね。
でも人慣れして近寄ってくれる野良猫に出会えるのを心待ちにしているのは事実。
その日のために、バッグにチュールを仕込んでおこうかと本気で悩んでる。
相変わらずだけど、何を書いてるんでしょうね。
とりあえず猫動画でも見て、癒されることにします。
ではまた。
end
開けないLINE
今日は結婚記念日。
年に1度、夫婦揃って着飾り出掛ける日。
肩出しのダークグリーンのワンピースに少しクリームがかったパールのイヤリング。
滅多に出番のない7センチヒールの足元がおぼつかないのはご愛嬌。
毎年この日に来ている、ホテルの最上階のレストラン。
案内された席に着くと、初めて来た日のことを思い出す。2人とも緊張し過ぎて、何を頼んだか、何を話したか全然覚えていなかった。
今、ワインは彼に任せ、私は前菜が並べられるのを見ている。グラスにワインが注がれ、改めて「乾杯」。
普段はお互い忙しく、会話もままならない私達だけど今日だけは特別。
出会った時の印象や、片道5時間かけて行った海沿いの温泉宿。お湯に浸かる前にすでにバテバテだったこととか、結納の日の前日、酔っ払いに絡まれたとかで顔にかすり傷を付けてやって来た時は驚いた、とか。
子供がお腹にいた頃のこと、出産のエピソードなど、ひとしきり話して笑って、気づけば最後のデザート。
「ほんとにありがとう、私達出会えてよかった」
微笑み返すあなた。
最後のコーヒーを飲んで席を立つ2人。
「行こうか」
「そうね」
涼しい夜風の吹く街を歩き、別れを記した一通の封筒を持って届け出た。
「元気で」
「あなたもね」
振り向くことはない。LINEも閉じた。
悲しいわけじゃない、ただ説明のつかない涙が止まらなかった。
今日だけ泣こう、私。
頑張ったね、私。
end
不完全な僕
大好きな、大尊敬しているこちらの女性作家さんが突然辞めてしまわれた。
この方の作品に救われた方、多くいらっしゃると思います。
当然、私もその1人です。
時に背中を押され、励まされ、時に襟を正され、そんな事は数知れず。
どうすればあのような文章が書けるのか、心の中の想いを、感情を言葉に乗せられるのか、まだまだもっともっと知りたかった。
読みたかったです。
こんな夏の終わり、未熟で不完全な私には到底受け入れられません。
でも、伝えたいです。
こちらこそ今までずっとありがとうございました。
何処かでまた、あなたの文章に出会えますように。
end