心の灯火
信じられない。
まだ暑い。
“残暑”とか言うつもりですか?誰が「残っていい」って言いました?
あれだけ苦しめられた暑い日々。突如やって来た台風によって、過ごしやすくなったと思ったのに。(被害に遭われた方ほんとごめんなさい)
ピークは過ぎた暑さだから耐えられますけど、なんか言わずにいられない。今日が暑さへの最後の愚痴だと思って、聞いてやってくださいね。
日が落ちて涼しくなってから、歩いてジムへ行くんですけど、行き帰りの楽しみは、好きな音楽を聴くことと、突然の野良猫との遭遇。
これはテンション爆上げです。出会った時の喜びをひた隠して、逃げられないようにそーーっと近づく。
日もとうに暮れた路地裏にて、猫の鳴き真似をして、必死で「私も野良、あなたの仲間よ」アピールをする中年のおばさん。
怖いですねぇ。
でも止められない。
止めてしまうと、私の心の灯火が消えてしまうから。嘘、言い過ぎね。
でも人慣れして近寄ってくれる野良猫に出会えるのを心待ちにしているのは事実。
その日のために、バッグにチュールを仕込んでおこうかと本気で悩んでる。
相変わらずだけど、何を書いてるんでしょうね。
とりあえず猫動画でも見て、癒されることにします。
ではまた。
end
開けないLINE
今日は結婚記念日。
年に1度、夫婦揃って着飾り出掛ける日。
肩出しのダークグリーンのワンピースに少しクリームがかったパールのイヤリング。
滅多に出番のない7センチヒールの足元がおぼつかないのはご愛嬌。
毎年この日に来ている、ホテルの最上階のレストラン。
案内された席に着くと、初めて来た日のことを思い出す。2人とも緊張し過ぎて、何を頼んだか、何を話したか全然覚えていなかった。
今、ワインは彼に任せ、私は前菜が並べられるのを見ている。グラスにワインが注がれ、改めて「乾杯」。
普段はお互い忙しく、会話もままならない私達だけど今日だけは特別。
出会った時の印象や、片道5時間かけて行った海沿いの温泉宿。お湯に浸かる前にすでにバテバテだったこととか、結納の日の前日、酔っ払いに絡まれたとかで顔にかすり傷を付けてやって来た時は驚いた、とか。
子供がお腹にいた頃のこと、出産のエピソードなど、ひとしきり話して笑って、気づけば最後のデザート。
「ほんとにありがとう、私達出会えてよかった」
微笑み返すあなた。
最後のコーヒーを飲んで席を立つ2人。
「行こうか」
「そうね」
涼しい夜風の吹く街を歩き、別れを記した一通の封筒を持って届け出た。
「元気で」
「あなたもね」
振り向くことはない。LINEも閉じた。
悲しいわけじゃない、ただ説明のつかない涙が止まらなかった。
今日だけ泣こう、私。
頑張ったね、私。
end
不完全な僕
大好きな、大尊敬しているこちらの女性作家さんが突然辞めてしまわれた。
この方の作品に救われた方、多くいらっしゃると思います。
当然、私もその1人です。
時に背中を押され、励まされ、時に襟を正され、そんな事は数知れず。
どうすればあのような文章が書けるのか、心の中の想いを、感情を言葉に乗せられるのか、まだまだもっともっと知りたかった。
読みたかったです。
こんな夏の終わり、未熟で不完全な私には到底受け入れられません。
でも、伝えたいです。
こちらこそ今までずっとありがとうございました。
何処かでまた、あなたの文章に出会えますように。
end
香水
いつもバッグにしのばせてるのが1つ。それは使い初めてまだ1ヶ月も経ってないもの。お試しで手に入れた、小さな15mlのガラスボトル。
香水は好きなくせに、つけ過ぎると酔ってしまう。
すれ違った時に、ふわっと香る程度が理想的と言われるが、これが案外難しい。
コロンなら多少つけすぎても短時間で消えるからまだいい。トワレやオードパルファムは持続性があるから、つける時は慎重になる。
ヘアフレグランスも好きだ。
こちらは香水のように気を遣わない。気軽にシュシュッと振りかけて、出掛けられる。
香水はどうしてもないといけないものでは決してない。寧ろつけない人も多いかと。なのにどうしてこうも好きなのかと考えた事がある。
すれ違う誰かに“いい匂いだな”と感じてもらえるのもいいが、出先でふとした時、自分の好きな匂いを感じられると心が和らぐ。
それが1番の理由かもしれない。
あとは、香水をつけると自分がほんの少しだけ、女性としてワンランクアップするような気がするのだ。
“気がする”だけだが。
今現在、どうしても欲しいのが3つ。いつかは手に入れようと企んでいるが、いかんせんお値段が可愛くない。
お試しサイズ、なんて気の利いた販売戦略もしておらず、誠に上から目線の商いをしてくれている。
庶民を舐めるでないぞ、いつかカウンターにて、
「これ、くださいな」
なんて上から目線でお買い上げして差し上げますから。
なんてことを妄想して、楽しむ一庶民の私であった。
end
言葉はいらない、ただ‥
見つめ合う
手を繋ぐ
肩を寄せる
抱きしめる
口づけをかわす
一夜を共にする
言葉はなくとも、愛を伝える方法は数多あって。
一緒に笑って、おしゃべりして、ご飯食べて、そばにいられるだけで充分幸せなのですが、そこに欲しいのが“愛の言葉”です。
大好きだよ
愛してる
ずっと好きだった
あなただけ見ています
これだけ、いえ、もっともっとあるんですから、一つや二つくらい(三つでも四つでも)言ってくれてもいいと思いますが、世の男性方いかがですか?
本音で言うと、たまにじゃなくて、毎日欲しいです。私は欲張りですから。
「月が綺麗ですね」は素敵だけど、鈍感な私は聞き逃しそうで。もっとストレートに言って欲しいのです。
私?言いますよ。
もちろん、どストレートにです。大声で、目の前でも、街中でも、離れてても平気です。
今や名俳優の彼ら彼女達もかつては世界の中心で叫んでましたからね。
負けてられません。
あ、他人のフリするのだけは、やめてくださいね。
end