待ちたい 待っていたい
置いてきたことに後悔したから
ごめんね と一言言って、君の機嫌をとって
さりげなく、手を繋いで隣を歩いていきたい
何百、何千とシミュレーションしてここで待つよ
愛した君に今もなお
「愛してる」
と伝えるために
一緒に来れないとわかっていても辛かった
だから、のんびり君を待つ
#この場所で
※ Caution
日頃より私の詩を読んでくださり誠にありがとうございます。今回の詩には微妙に性的表現があるかもしれません。苦手な方は御遠慮ください。
息もできないほど苦しい
唇は痺れ、頭は麻痺する
歯列をなぞる 激しく 溶かすように
甘酸っぱくも苦くも甘くもない
ただ…どろりと熱をもったなにか
お互いの欲を求めるなにか
そんなものがしたかった
だってそれは愛を確かめる行為
だってそれは愛を欲する行い
だって、君が好きだったから
心から愛しいと想ったから
そうして僕は冷えた君の唇に
優しくKissをおとした
#Kiss
世界を見渡す
法隆寺 タージ・マハル ピラミッド
どこにでもあるんだ
先達が人のため、或いは自らのために遺したものたち
ふと思う なぜ…
本人はとうの昔にこときれているというのに
意味を知り、思惑を知り、興味を消すのに
一時の欲の為に多くを犠牲にして意味などわからない
でもそれは、私が何も知らぬ無知な幼子だからなのかもしれない
もしくは愛も希望も何も無い今を生きるしかないからなのかもしれない
だれかこたえて?
1000年続く偉大な愛を
1000年続けと叫ぶ先達の思慮を
1000年続けよと未来を見据える人の想いを
私は人だから
#1000年先も
forget me not
人の生(みち)は長いと言われる
短いとも言われる
人が創った固定観念は好き でも嫌い
友をつくれと周りは言う
いつか離れていくのに 分岐点に立つのに
だから 咲く 道端に
気にも止められず だがアイラシク
#勿忘草
「少年よ 少しだけ話をしないか?」
僕の目の前に座った人は微笑みかけてきた
「いいですよ。」
なぜだか、目の前に座った人の話を聞きたかった僕は真剣な面持ちで頷く
「君は夢の果てを知っているかな」
「は?」
なんの話かと思いきや、意味が分からない。いや意味は何となくわかる。けれど、質問の意図が分からない
「答えてくれ。君は君の夢の果てを知っているかい?」
「夢の、果て………」
ボソリと呟いて手元のティーカップを見つめる。なかのコーヒーは揺らぐばかりだ。
「ない、と思う」
ポロリと出た言葉は問いかけよりも難解だった
「ない…か。そうだね。少年よ。夢の果てなどないのか」
まるで我が子に向ける慈しみのように優しげな顔をして目の前の人は納得しているようだ。
「だって、だから貴方は自分の夢を追いかけ続けているのでしょう?叔父さん。貴方は夢の最果てがみたいんだ。」
彼は僕の言葉に心底驚いたようだった
「その歳で達観したものの考えをするな。少年よ。」
はははと笑い、僕と同じコーヒーを口にする叔父は少し疲れている
「少年の言う通りだ。夢の果てなどない、 俺は俺の夢路を見たい」
自分に言い聞かせるがごとく呟く叔父の言葉を僕もまた自分に刻んだ
「ありがとう、少年。お前に聞いてよかった」
そういうと彼は足元に置いたケースを持ち、半分以上残ったティーカップをおいていく
僕は振り返らず、問うた
「また、会えますか?僕は貴方の人生の旅路を聴くのが好きだ」
「─────」
それ以降叔父に会ったのは、生涯ただ1度きりになった
彼は満足していただろうか?
#旅路の果てに