エコウ

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4/20/2024, 10:12:08 AM

何もいらない

なんにもいらない
本当に必要で望んでも、
ただ淡く憧れて望んでも、
何ひとつ叶わないなら
もう望むことさえいらない

望みたくない
希望を持ちたくない
希望を抱くと、
裏切られて
絶望するから

もう生きる気力すらない
生きることを望んでいないから、
死ぬことで絶望もしない
でも、
生きたくないと思ってるから、
死が与えられないのだとしたら、
望んだほうがいいのだろうか

人生に希望を抱いて
きらめく幸せを期待して
あたたかな胸の熱を感じて
生きることに望みをかけて

そうしたら死ねるのか

そうか?

そうか

死ぬことに望みを置いていないから
死ぬ気になっていないのか…

死ねた人はすごいな
死ぬことに希望を持てたんだから
幸せだよ
周りをありったけ不幸にして
ひとりだけ逃げ出して
死と駆け落ち

ああ

そうか

自分も周りの希望を裏切ることができるんだな…

自分ばっかり不幸ヅラして
自分ばっかり裏切られた顔して

苦しければ苦しいだけ正解な気がして
その被害者意識に気持ちよくなっているんだな

それがわかったところで
ほかの正解なんて見えない

でもせめて、
他の人の希望だけは
裏切らないでおこうかな…

他の人も、
希望さえ裏切られなければ、
何もいらないはずだよね…

1/16/2024, 12:34:03 PM

美しい


時よ止まれ、汝は美しい。

「ファウスト」だ。
ファウストが、人生の素晴らしさに心奪われる瞬間、メフィストフェレスに魂を捧げる言葉。

悪魔に若返らせてもらい、もう一度人生をやり直したとして、自分は「時よ止まれ、汝は美しい」と言うことがあるだろうか?
そう考えたとき、いま、ここ、こうして、愛する人たちと大切な時間をリアルタイムで共有しているこの現実を、遥かに超えて美しい瞬間が来るとは思えない。

不登校を経験した。いじめを受けた。虐待を受けた。性虐待の被害者になった。うつ病になり、解離性障害にもなった。仕事につけば、必ずなにかトラブルに巻き込まれて辞める羽目になった。最近はセクハラを受けて1ヶ月の休職になり、本採用が先延ばしになった。
自殺未遂をした。

未遂を起こしたとき、震えながら泣いてくれた人がいた。
自分の人生が美しい、素晴らしい、という評価に値するかはわからない。
けれど、その人の涙と、愛情にかけて、自分の人生は素晴らしく尊いと思う。

自分の人生が美しいとするなら、愛してくれるその人が、この人生を美しくしてくれているのだと思う。
自分もその人のことを心底愛している。

(BGM:ラヴェル「クープランの墓」より「プレリュード」)

1/6/2024, 11:25:25 AM

君と一緒に

趣味で光の戦士をやっている。
光の戦士というのは専門用語みたいなもので、FF14においてプレイヤーのことを指す。略せばヒカセンだ。
世界を救ったり、大切な人を(リアルなゲーム仲間もNPCも)失ったり、何より自分が救われたりする、そんな世界にいる。
オンラインゲームだからもちろん画面の向こうには生身の人間が存在している。
それを忘れてしまうと、どんどん色々なものを失うことになる。
そんな恐ろしい一面を持つゲームなのだけど、やめられないのは、ゲームで出会った仲間たちとかけがえのない冒険ができるから。
ゲームでしょ、という意見もわかるのだけれど、物理的に世界を練り歩くばかりが冒険じゃない。
人間関係の中で、お互いの心を通わせながら成長し合うのも冒険だと思う。
もちろん、失った人もいる。単純に離れていった人も、亡くなってしまった人もいる。
生きて、死んで、笑って、涙を流して、それでも一緒に進んでいく仲間がいる。
今日もエオルゼアに行こう。
大切な仲間が待っているから。
今日も胸踊る冒険をしよう。
君と一緒に。

1/5/2024, 7:15:25 AM

幸せとは

幸せとは、という歌詞の曲があった気がする。
大切な人に降りふかった雨に傘を差せることだ、って。

自殺未遂をしたとき、駆けつけてくれた人がいた。
救急車を呼び、万が一の場合を周りに知らせ、病院まで車を走らせて会いに来てくれた。
自殺未遂をしたとき、その知らせに震えて、泣いてくれた人がいた。
そのとき、自分は、明らかに、大切な人に降りかかる雨だった。
運良く命が助かった。そのことを、その人たちがどんなに喜んだか。
その喜びに、自分がどんなに驚いたか、その人たちは知らない。
生きようとする意志は案外脆い。
その気がなければ生きられない。
毎日何かが降りかかっては去ってゆき、晴れ間をもたらすかと思えばそこから灼熱の光が差し込んできたりする。
ずぶ濡れになりながら、焼け焦げるようなにおいを放ちながら、それでも生きようとすることは、どれほど過酷なものだろう。
その中で希望があるとするなら、幸せがあるとするなら、それはきっと、瞬きほどのささやかなものでしかないだろう。
音もなく、香りもなく、している意識もなく。
でもそのことの、どんなにか尊いことだろう。
幸せとは、その尊さに気付くことだ。

(BGM:「瞬き」back number)

1/3/2024, 11:38:22 PM

日の出

いつも朝の5時半に起きている。
今の季節、まだ太陽はのぼっていない時間で、まるで夜のよう。
鳥たちも起き出しておらず、とても静か。
一人暮らしの部屋で、フロアライトを、ぱちり。ぱちり。
顔を洗って、ご飯を食べて。
そうしていると、カーテンの隙間から淡い光が入ってくる。
太陽だ! そう思ってカーテンを開けるけど、やっぱり外は、ほの暗いまま。
太陽は、夜に輝く一等星の、1560億倍の明るさ。
そんなに強い光を持っているのに、まだのぼりきらない時間だと、こんなにもほのかで、優しく、弱々しい。
表面温度も6000度なのに、温かさもまだ届かないくらい。
近付けば消し飛んでしまうような存在なのに、こんな時間では頼りないくらいなんだけど、それでも希望を感じるくらい、少しずつ明るく、温かくなっていく。
太陽は神様が創ったって、聖書に書いてある。
そうなんだろうな、と思う。
ちいさいほうの光には月と名付け、夜を。
おおきいほうの光には太陽と名付け、昼を。
本を読みながら朝を過ごしていると、部屋のフロアライトなんて負けてしまうほど、太陽の温かな光が入り込んでくる。
おはよう、世界。
神様が創った世界。
ひどいことも多いけど、悲しいことも多いけど、決して変わらない良いことも多いから、太陽は明るくて温かいことを、忘れないように。
おはよう、世界。

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