記憶の海
目を開けてみると 一面 水だった。
右も左も前も後ろも上も下も
どこを見渡しても水の中だった。
(何だ....どうなってるんだ....これは夢か)
夢に入る前の記憶が思い出せ無い
いつの間に寝てしまったのだろう....
しかし夢ならいつかは、覚めるだろうと
水の中で揺蕩う自分の体を流れのままに
していると.....
ふと しばらくすると....水の中に
長方形の枠みたいな画面が表れた。
その四角い画面の中に映像が浮かび上がる
それは、今までの俺の人生を映画のフィルムでなぞるみたいに俺が産まれた時から
今の中年の自分になるまでが水の中で
流れて行く
(これは....) 俺がこの現象をどう言う事なのか知覚出来ずに居ると....ふいに俺の
耳に必死に俺の名前を呼ぶ声が聞こえた。
おれは、訳がわからなかったが....しかし
俺の体は、声のする方へ手を伸ばしていた
すると.... 「父さん」「兄さん」「貴方」と呼ぶ声が俺の耳に届いた。
俺が目を覚ますとそこには、
俺の妻 息子 それに弟の顔があった
俺の体は、咄嗟には、動かなかった。
見ると俺の体には、包帯が巻かれ
足は、ギブスで固められていた。
後から俺が聞いた話では、俺は、交通事故に遭い 三日三晩生死の境を彷徨って
いたらしい.... そうして俺は、唐突に
あの夢は、記憶の海の走馬灯だったのだと
確信したのだった....。
ただ君だけ
君だけに見て欲しくて 僕は、頑張ったんだよ.... なのに..... 君の笑顔は、
知らん顔 僕 以外の人と仲良く笑っている君の顔を見ていると....
僕は 痛くて 痛くて たまらないんだ....
ああ....涙が止まらない 残酷な仕打ち....
僕は、急いで顔を逸らし 踵を返したのだった....。💧💧....
未来への船
「この船は、未来に向かって 進む船だ!」 そう白い歯を見せて君は、
笑った。
傍らにいつも置いていた工具箱が
君のトレードマークだった。
大切に大切に君の手で整備されたその船は、今でも何十億人の人を乗せて
海上クルーズに乗り出している。
これからもそれは、続いて行くだろう
何十年と変わらずに君が未来に続く様にと
育てた弟子達の手によって・・・・。
静かなる森へ
朝の空気が涼しい 早朝の森へ足を伸ばしてみると しんと静まり返った
朝 独特の森の空気がある。
普段は、人の声で 賑やかな森も
まだ人間達は、寝静まっている。
そんな静かな森に耳を澄ますと
小鳥のさえずり 森の葉が風で擦れる音
動物達が動き出す音 そんな静寂の中だからこそ聞き取れる微かな音が 森の厳かな
静謐な雰囲気を私に感じさせてくれる
私は、静かに深呼吸して この時間でしか
感じられない森の目覚めの空気を体いっぱいに吸い込み 自分の体の細胞の隅々まで
行き渡らせたのだった。....
夢を描け
大きな筆を真っ直ぐに白い紙に立て
墨の線を進めて行く
墨は、見慣れた黒だけでは、無く
赤や黄色 青色など 様々な色の墨を
広い紙に載せて行く
夢をでっかく描く為には、きっと普通の
紙では、足りないから
黒一色では、色々な夢は、描き切れ無いから だから....
色と言う色を紙の上に載せて大きく
前向きに夢を描いて行くんだ!!