あなたのもとへ
厳かにしんしんと 並び立つ葬列
その列から 運び込まれる棺は、
静謐な静けさと 陰鬱な悲しみを湛えて
いた。
そうして棺の中に居る魂の器
そこにあるのは、身じろぎ一つしない
人形の様だった
ハンカチで目元を抑える者や 何かを
堪える為に唇を噛み締める者
悔し涙か悲しみの涙かやり切れ無い
雰囲気が漂う
そんな参列を見守る 泡の様に儚い
魂 それをなんの気なしに視線を上げて
幻の様に知覚した。
嗚呼やっと帰って来たんだね
ありがとう 早く見つけてあげられ無くて
ごめんね 大好きだったよ...
夢幻の様な 曖昧模糊とした
その煙の様な 幻の様なその現象は、
参列者達に 別れの挨拶をする様に
靄になって 雲の一部になって溶けて
行き 薄くゆっくりと存在感を消して
行ったのだった。....
そっと
ソファーで 静かに眠る 君の体をそっと
持ち上げる。
起こさない様に そーっと そーっと
ベッドに運んだ 君の寝顔は、
規則的な寝息を立てて 安心した表情を
浮かべていた。
僕は、その顔を見て柔らかく 口元を
緩ませた。
まだ見ぬ景色
まだ見ぬ景色を求めて 旅に出よう!
行き先を決めず 行き当たりばったり旅行
鞄に トラベルグッズ カメラ
パスポート その国の紙幣などを詰めて
人の暖かみに 触れ その国 独特の
食べ物を食べ その国の建造物や
モニュメントを見上げ まだ見ぬ景色を
カメラに収めて 一つ 一つの写真を
アルバムに貼り付け まだ見ぬ景色の
ページが増えて行く にこにこの笑顔と
共に.....。
あの夢のつづきを
胸に燻るあの衝動を 頬に伝う涙の意味を
僕は、知らない
いつも同じ所で 僕は、目が覚めそうして
今の状態になる。
何故 僕は、泣いているんだろう....
その理由は、分からない
唯 誰かの笑顔が記憶から鮮明に
映し出されて離れない
そうしてあの時 誰かが紡いだ言葉も
聞き取る事が出来ない
願わくば あの夢のつづきが見れたなら
誰かが紡いだ言葉も聞き取れるのに.....
いつも続きが見れないから
ベットで起き上がった僕は、
胸にぽっかり穴が開いた 切ない
空虚さだけが残るんだ....
ねぇ 君は誰..... 誰なの.....?
そう尋ねても 夢の中の君は、優しく
微笑むばかりだった....。
あたたかいね
こたつでぬくぬくあたたかいね
君とくっついて また体温が上がる。
二人でこたつの中で足を絡ませて
横になって笑い合う 体も心もぽかぽかと
暖まり体の芯に熱が通って行く
このあたたかさは、きっと....
君が隣に一緒に居てくれるからだね!