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あなたのもとへ

厳かにしんしんと 並び立つ葬列

その列から 運び込まれる棺は、
静謐な静けさと 陰鬱な悲しみを湛えて
いた。

そうして棺の中に居る魂の器
そこにあるのは、身じろぎ一つしない
人形の様だった

ハンカチで目元を抑える者や 何かを
堪える為に唇を噛み締める者
悔し涙か悲しみの涙かやり切れ無い
雰囲気が漂う


そんな参列を見守る 泡の様に儚い
魂 それをなんの気なしに視線を上げて
幻の様に知覚した。

嗚呼やっと帰って来たんだね

ありがとう 早く見つけてあげられ無くて
ごめんね 大好きだったよ...

夢幻の様な 曖昧模糊とした

その煙の様な 幻の様なその現象は、

参列者達に 別れの挨拶をする様に
靄になって 雲の一部になって溶けて
行き 薄くゆっくりと存在感を消して
行ったのだった。....

1/15/2025, 10:59:00 AM