太陽
太陽を追いかける様に咲く向日葵
向日葵を見つめて輝く太陽
まるで、お互い恋をしてるみたいだ。
地上と空で分かたれた二人
太陽は、向日葵が咲くのを毎年 毎年
待っている。
向日葵は、種を植えられ芽が出て
花が咲いて、太陽と向き合ってお互いの
姿を見つめられる様に大輪の向日葵になる
一年に一度の出会い だけど 私は、
貴方に会いたいから また来年も
頑張って花を咲かせるね!
太陽は、にっこりと明るく微笑んで
また、来年 向日葵に会えるのを
楽しみに待つのだった。
お祭り(番外編)⑮の続き
鐘の音(番外編)⑯
●ハッピーウェディング
カーン カーンと教会の鐘が鳴る
今日は、局長の知り合いの伝手で
ウェディング雑誌の取材で
カップル代表として、ミーナとナイトが
雑誌のモデルを頼まれた。
二人居れば、事足りるのに
何故か見学をスタッフに勧められ
俺とシズクは、二人の撮影を見学していた
シズクは、キラキラした瞳で、
ミーナとナイトの二人を見つめて居るが
俺は、何の感慨も湧かず
欠伸を一つした。
(何も雑誌の撮影で、本格的に模擬挙式を
挙げなくても良いような気がするが...)
と 俺は、思ったが女子は、こう言うのが
好きなんだろうなぁ.... 俺は、隣で両手を
組んで二人を見つめてるシズクを見る。
(結婚....)と言う二文字を頭の中で浮かべてしまい俺は、慌てて首を横に振る。
(はぁ~早く帰りたい)と俺は、心の中で
ため息を吐き項垂れた。
しばらく立ち撮影が終わりやっと帰れると
思ったのだが....
気が抜けて呆けていたらスタッフの人に
手を取られ懇願された。
「お願いします代わりのモデルとして
撮影に参加してくれませんか?」
「は?」俺は、顎が外れそうな程
ポカンとしてしまった。
何でも 次の撮影の新郎役のモデルの人が
急に来られなくなり急遽代役が必要らしい
事情は、まぁ...分かったが....何で俺?
俺は、素人だし撮影と言う事は、それなりになりきらなきゃ行けないので
演技力も必要になると思う....
自分で言うのも何だが俺は、演技力なんて
皆無だ 写真撮影なので台詞は、無いと
言うが 新郎 新婦らしくポーズは
取らないと行けなくなる。
そんなの俺が出来る訳ない
断ろう俺なんかがでたら撮影が滅茶苦茶に
なる そう思ったのだが....
「お願いします 新婦と背丈が合う若い人が貴方しかいないんです」切羽詰まった
スタッフ突然のトラブルにどう対応して
良いかスタッフ側も分からないのだろう
俺は、何となく悟った これは、了承しないと帰れ無い奴だと....
俺は、ため息を吐いて渋々了承した。
俺のモデルが決定してミーナとナイトが
「ハイネ ドンマイ」「いつの間にそんな
事になってんのよ!」とそれぞれ労る様な
呆れる様な視線を送って来た。
シズクに至っては、「ハイネ....モデルに
選ばれるなんて....凄い....」と両手を胸の前で拳にして、俺に尊敬の眼差しを向けて来たが 正直 シズクの反応に俺は、
落ち込んでいた。
分かっていた事だがシズクは、別に
俺が模擬とはいえ他の異性と結婚式を
挙げても何も思わない.....
やきもち位焼いてくれないかなあと
期待していた分少しショックを受けていた
シズクは、ハイネの撮影にワクワクして
いた。
(皆....モデルに選ばれて凄い!)
シズクは、興奮してハイネの撮影を見守る
撮影も中盤に差し掛かりハイネが跪いて
新婦の手の甲に顔を近づける
ちなみに誓いのキスなど
キスシーンなどは、スタッフ側がハイネを
気遣い触れそうで触れない寸止めのキスをしたフリで乗り切る。
そのシーンに差し掛かると....
(あれ?....)シズクの瞳から涙が溢れた。
(何で....私....泣いてるんだろう...)
シズクが自分の涙に混乱していると....
「シズク テメェ何で泣いてんだよ!」
撮影を終えたハイネがシズクの顔を覗き込む。
「えっと~ぉ....多分....感動して....」
「はぁ!何だよ多分って.....
ったく しょうがねェなあテメェは!」
ハイネがシズクの目尻に溜まった涙を
指先で拭う。
「拭く物持ってねェんだよ!面倒臭ェから
早く泣きやめ!」ハイネが面倒臭そうに
シズクに文句を言う。
「は....はい....」シズクは、ハイネに
申し訳ないと思いながらも何だか胸が
暖かくなり笑いがこみ上げてきた。
「テメェ何笑ってやがる!」
ハイネがムカついてシズクのほっぺたを
両手で抓る。
「ご....ごめんなさい....」シズクは、ハイネに謝るが笑いが止まらない
そんな二人のやり取りに笑いが込み上げた
様に教会の鐘が カーン カーンと
高らかに響き渡った。
つまらないことでも
つまらないと思える些細な事でも
君と一緒ならキラキラと輝いて
不思議と楽しく思えるんだ。
君が率先して、僕達を引っ張って
どんな面倒臭い 人から感謝されない
あっても無くてもどっちでも良い
つまらないと思える仕事でも
一生懸命に無我夢中でやるから
僕達も何か君の力になりたいと
支えになりたいと思えるんだ
君を見ているとこの世に無駄な事はないと
思えるから君を見ていると
僕達がやっている些細な無駄で
つまらないと思える仕事も
もしかして、誰かの役に立ってると
思えるから
だから僕達も君に負けない様に頑張るよ
ありがとう これからもよろしくね!
目が覚めるまでに
寝ている貴方を起こさないように
布団で、寝ている貴方を踏まない様に
跨ぎ そっと襖を閉める。
貴方の目が覚めるまでに戻らなくては
ならない だけど....
「準備は、良いかい?」
「はい!」上司に問われ私は、闇夜を
駆ける。
安全装置を外し 引き金に人差し指を
掛け
ターゲットを狙う。
闇に紛れ 綺麗に汚れを掃除する
掃除人(スナイパー) 何人もの人を駆除し
葬って来た。
この手を血に染め世界の平和を裏から
守る。
貴方には、知られたくない私の秘密
空が白み始める前に仕事を終了しなければ
貴方が起きた時に
何事も無かった様に「おはよう!」と
笑う為に....。
病室
真っ白な天井 真っ白なシーツに囲まれた
ベッド 細い点滴のパックのチューブに
繋がれた君の腕その点滴のパックを
車輪で、引きながら病室を出て
病院内を歩き回る君 この建物の中が
君の世界 他の入院患者さんが居る
休憩スペースで 楽しそうに
お喋りをする君 人と接する機会も
この病院内の中だけ
だけどこの狭い世界で君はいつだって
誇らしげに笑ってる。
君が居るだけで周りの患者さん達も
元気がもらえる様につられて笑う
看護師さんや君の担当の先生も君を
眩しそうに見て笑う
だから君が居なくなった病室は、
灯が消えた様に静かだ
君の死をたくさんの人が惜しんでくれた
泣いてくれた。
もちろん僕もその一人だよ!!
さよならは言わない
きっと生まれ変わった君がまたたくさんの
人を笑顔にしていると想像できるから
君は、この病院内の太陽で アイドルだった。
たくさんの笑顔をくれた君へ
ありがとう 僕は、君と出会えて
心から幸せだったよ....
だから また絶対何処かで会おうね!!