Saco

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5/4/2024, 2:40:27 AM

二人だけの秘密

「葉奈 真奈はまだ帰って来てないの?」

「う~ん何か補習みたい....」

「全く仕方無いわねぇ~ おやつ真奈の
分まで食べちゃだめよ!!」

「はぁ~い!」私は、間延びした返事を
して、母が台所にいなくなったのを確認
してからスマホのラインを開く

『どうだった?』『うん 大丈夫やっぱり
補習で受けるテストの方が簡単だね!』

『何それ私に対して嫌味!』

『ごめん 違うよそんなつもりじゃ無くって』

『嘘 嘘冗談よそれより来週の
スポーツテストのやり直しの件で聞きたい
んだけど引っかかったのは、幅飛びだっけ?』

『そうそう そっちは宜しくね真奈』
『もちろん大丈夫 それより今日は
ありがとうね葉奈』

『どういたしまして、じゃあ帰るから
おやつ残しといてね真奈』

『了解』




そう 私達が双子なのを良い事に
時々両親にも内緒で、入れ替わって居るのは 二人だけの秘密だ!!

5/3/2024, 2:44:55 AM

優しくしないで

「優しくしないで」そんな台詞を俺の前で
吐いて泣き崩れる女に俺はムッと腹を立てた。

だったら人前で泣くなよ その時点で
気に掛けて欲しいって言ってる様なもん
だろうが!!

全くムカつく女だ!!俺がお前の幼馴染み
だからって 都合の良い時だけ体良く俺を
使いやがって!!

自業自得だろう 俺があいつは
やめとけと散々注意したにも関わらず
「あの人はそんな人じゃ無い」だの
一点張りだったくせに....
結果やっぱり捨てられてんじゃん

そんなに目を腫らして 傷だらけになって
バカみたいに「あの人は悪く無い」なんて
言い張ってまだあいつを庇ってる

もういい加減にしろ!!
俺はとうとう堪忍袋の緒が切れて
拳を机に叩きつけた。

すると幼馴染みのその女は、大きな音に
吃驚したのか目を丸くして涙を止めた。
「なっ...」と一音を出して俺を見上げる。
俺は、がばっとそいつの肩に自分の手を
置いた。
そいつは、びくっと体を震わせて俺に
殴られるとでも思ったのか ぎゅっと目を
瞑る。

俺は、そいつの耳元に唇を寄せて囁いた。

「お前の望み通りにしてやるよ!!」
と俺の囁きに意味が分からないと言う様に
小首を傾げる幼馴染み

お前の唯一である俺と言う安全地帯
どんなに惨めな状況になっても
散々な目に遭っても俺と言う安全地帯が
ある限りこいつは、また同じ事を繰り返す
だろう... だったら逃げ場を無くしてやる

俺は、幼馴染みを俺の部屋から無理矢理
追い出し鍵を掛けた。
ドアの外でも泣き崩れるものなら
警察を呼ぼうと覚悟まで決めて

幸いそいつは泣き崩れる事はなかった
足音が遠ざかりそいつが踵を返し帰った事を確認すると俺は決意した。




そうして俺は、何も告げずあいつの前から
姿を消した。
電話も拒否しラインやメールもブロックして完全にあいつに干渉するのを辞めた。

俺がいなくなったあいつがどうなったか
知らない またしょうも無い男に入れ込み
泣いているか 下手をしたら世の中の
無情さに耐えられなくなって命を絶って
居るかもしれない

けど俺には関係無い 悪いけど罪悪感も 
湧かない。

寧ろ恨まれて 俺にお門違いの憎しみを
持って俺に復讐しに殺しに来た方が....
反抗する気概があったんだと見直すかも
しれない

何時だって俺はあいつにとって都合の
良い安全地帯だった。

しかしそれも もうお終いだ
俺を恨むなら勝手に恨め
殺したいなら殺しにくれば良い
お前の感情の捌け口になるのは
何時だって俺だった。

安全地帯になって優しく守るのはもう辞めだ これからのお前の人生がどうなろうと
俺には知ったこっちゃ無いし
興味も無い

それにお前が言ったんだぜ
優しくしないでってな....

これからはせいぜい蚊帳の外の人間で
居させて貰う

お前が俺を見つけ出して会いに来た時
殺意を向けられるのを楽しみにしてな
泣きながら俺に凶器を向けるお前の顔を
見ながら死んで堕ちてってやるよ

お前と一緒にな.....

5/1/2024, 10:35:26 AM

カラフル

出先から 帰って帰宅すると部屋の中に
カラフルな手形が所狭しと押されていた。

見ると旦那は、ソファーで熟睡中
子供達の面倒を見るよと快く送り出して
くれた旦那は、子供のパワーに押され
くたくたになっていた。

同じ様に遊び疲れたのか二人の
可愛い怪獣モンスターもとい息子二人も
絵の具で汚れた手を横に向けながら
二人で可愛い寝息を立てながら寝ていた。

後には絵の具で押したカラフルな手形達

赤 青 黄色 緑 ピンク 紫
白 黒 金 銀 ご丁寧に全色使って
お部屋の模様替えを怪獣達は済ませたの
だった。

皆が起きたら多分 私は力の限り叱って
しまうだろう それが自分でも分かっているので今だけは寝かせてあげよう

そうして起きたら旦那も含めて皆で
大掃除だ 覚悟しろ怪獣達なあんて
思いながら三人の寝顔を私は
呆れたように苦笑しながら見つめていた。

5/1/2024, 5:03:52 AM

楽園

緑豊かな 清廉な水が湧き出る地
『セフィーナ』

機械文明が発達した町
『メガロイド』

太陽が降り注ぎ 食物が豊富に
取れる園
『アシム』三つの国の人々は自分達の
住んでいる国が一番の楽園だと信じて
疑いませんでした。

それぞれの一番偉い子息 子女達が
留学と称してお互いの国を回るまでは

まず一つ目の国『セフィーナ』を回り
『メガロイド』と『アシム』から来た人達は新たな発見をしたみたいに目をきらきら
させて豊富な資源と水の綺麗さに驚き
ました。
この水はどうしてこんなに綺麗なのか
『セフィーナ』の人に尋ねました。
自然に出来た丘陵地帯から水が湧き
そこから流れて来る事を教えられました。

次に行った国『メガロイド』は
見たことの無い機械達が動いて人々を
助けていました。
荷物の運搬や上げ下ろし人間が行くには
少々危険な場所の移動も機械達の力を
借りればスムーズにこなせる事を
知りました。

最後に行った国『アシム』そこは他の二つの国と比べると太陽の光が少し暑く
衣装も風が通りやすい薄い生地の服が
売られていて服の装飾も細かくてカラフルなビーズみたいな物が連なって独特の
鮮やかな模様が衣装を色どっていました。

そうして何より食べ物が他の国より通常の
倍位の大きさで実っておりとても
美味しかった事に
『セフィーナ』と『メガロイド』の人達は
感動しました。

こうして三つの国の人達は楽園は自分達の
国だけでは無い事を知りました。

そしてこれからは、お互いの国の良い所
発達している所を分け合って
足りない部分を補って助け合って
生きていこうと約束し
三つの国は前よりも平和で活気があり
三つの国以外の所からも楽園と呼ばれる
様になったのでした。

4/29/2024, 11:53:04 PM

風に乗って

ぽーんと手から放られた紙飛行機が
風に乗って飛んで行く。

傾きながらもゆっくりと飛距離を伸ばして
行く。

一体どこまで行くのだろうか?

そんなことを思いながら紙飛行機が
落ちるまで飛ぶ姿をじっと見ていた。

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